2021年の米国工作機械の受注額は過去最高の59億ドルに

(米国)

シカゴ発

2022年02月25日

米国製造技術協会(AMT:The Association for Manufacturing Technology)は2月14日、米国工作機械の2021年の年間受注額が59億ドルを上回り、過去最高を記録したと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。2021年8月から12月にかけて、初めて5カ月連続で月間受注額が5億ドルを超え、2020年の38億ドルから54%増加した(添付資料図参照)。AMTは増加の要因として、新設住宅着工件数の歴史的な増加と耐久消費財の消費者需要の伸びを指摘。また、リショアリング(生産拠点の自国回帰)とサプライチェーンの多様化も新規受注につながった、と分析している。

AMTは毎月、米国工作機械(金属成形機と金属切削機)受注額を発表しており、工作機械の受注統計は、自動車、鉄鋼、半導体など各産業の設備投資を反映していることから、景気の先行指標として注目される。

AMTのダグラス・ウッズ会長は今後の受注額の見通しについて、「2022年についても楽観的な予想がされているが、年初の数カ月は若干の後退が予想される」とし、「受注残の増加、主要部品不足や人手不足が、2021年後半の急速な成長の勢いを足止めするものの、その状態は時間の経過とともに解消していくだろう」と分析。さらに、「エコノミストや業界アナリストは、大きな地政学的混乱がなければ、2022年の受注は1桁の穏やかな伸びになると予想している」との見方を示した。

シカゴでは、2022年9月にAMTが主催する米国最大の工作機械展示会IMTS(International Manufacturing Technology Show)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催される見込みだ。本展示会は隔年で開催され、前回は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となったが、工作機械で世界をリードする多くの日本企業が、活況を呈する米国市場での商機を探る絶好の機会となる。

(小川ゆめ子)

(米国)

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