小鵬汽車の香港株、深セン証券取引所を通じた売買対象銘柄に追加

(中国)

広州発

2022年02月21日

中国の深セン証券取引所は2月9日、深セン市と香港の間の株式相互取引対象銘柄に新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(Xpeng)が追加されたと発表した。小鵬汽車は2021年7月に香港証券取引所に上場しており、今後、中国本土の投資家は深セン証券取引所を通じて同社の香港株の売買が可能になる。

中国・深センと香港の株式相互取引スキーム「深港通」(注)が2016年に開始されて以降、新興EVメーカーとしては初の対象銘柄となった。小鵬汽車は同日に発表したプレスリリースにおいて、「『深港通』スキームの活用を通じ、より幅広い中国本土の投資者へのアプローチが可能となり、当社株式の流動性の向上、ひいては当社の投資価値やブランド認知度の向上にもつながるだろう」とコメントしている。2月9日の発表を受け、同日の小鵬汽車の香港株の始値は前日の終値より6%高となった(「21世紀経済報道」2月9日)。

広東省広州市に本社を構える小鵬汽車は2014年に創業。蔚来汽車(NIO)、理想汽車(Li Auto)と並んで、「中国新興EVメーカー御三家」とも呼ばれる(本稿では以下、「主要3社」)。新興EVメーカーとしては初めて、ニューヨークと香港で重複上場を果たした。小鵬汽車の2021年の年間新車販売台数(納車ベース、以下同)は前年比約3.6倍の9万8,155台と、主要3社の中で最も多かった(添付資料図1参照)。2022年に入ってからも売り上げは好調で、同年1月の小鵬汽車の新車販売台数は前年同月比約2.2倍の1万2,922台となった(添付資料図2参照)。

(注)「深港通」とは、香港市場を通じて中国・深セン株を売買できる「深股通」と、深セン市場を通じて香港株を売買できる「港股通」を合わせた言葉で、深セン・香港間でお互いの上場株式に対して直接投資を認める制度。

(曹歓)

(中国)

ビジネス短信 df960d502a883827