国王・王妃両陛下、ドバイ万博で未来のモビリティをアピール、日本館も訪問

(ベルギー、アラブ首長国連邦)

ブリュッセル発

2022年02月15日

アラブ首長国連邦(UAE)において2月5日、ベルギーのナショナルデーである「ベルギーデー」が「2020年ドバイ国際博覧会」(以下、ドバイ万博)で開催され、フィリップ国王とマチルド王妃が出席した。フィリップ国王は「ドバイ万博は、新型コロナウイルス感染拡大後の最初の大型イベントの1つだ」としてドバイ万博の開催に祝辞を述べつつ、「ベルギー館は出会いの場としてデザインされている。文化の架け橋となり、対話とイノベーションを促すという(ドバイ万博と)共通の使命を象徴している」と、ベルギー館をアピールした。

ベルギー館は、「緑の箱舟」と称され、2,500本に及ぶ現地の植物を屋上や壁面に配置した環境配慮型の建築が特徴となっている。万博会場内の「モビリティ」をテーマとする区域に出展しており、「ベルギー2050」というテーマの下、未来のインテリジェント・モビリティシステムを構築するためのビジョンや取り組みを紹介している。国王・王妃両陛下はベルギー館訪問後に、次回の登録博開催国である日本館にも訪れた。

大阪・関西万博に向けて展示内容を検討

「ル・ソワール」紙の報道によれば、今回の訪問に同行したピエール・イブ・デルマニュ副首相兼経済・労働相は、2025年の大阪・関西万博に向けて、フランダース、ワロン、ブリュッセルの各地域と、ドイツ語圏の共同体を紹介するためには、展示内容の改善が必要との見方を示した。チョコレート、ワッフルなどの旧来のイメージにとらわれず、バイオテクノロジーや製薬、航空宇宙など、より未来を志向した展示内容とする必要があるとの意気込みを語った。

また、今回のナショナルデーの前後には、ベルギー・UAE間の協力関係を強化する取り組みがみられた。フランダース政府貿易投資局は2月4日、フィリップ国王立ち会いの下でUAEと生物医学分野の研究開発で協力協定を締結したと発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。フランダース地域のバイオテクノロジーとライフサイエンスの戦略的研究センターであるVIBおよびルーベン・カトリック大学が、アブダビのカリファ科学技術大学と連携して、「バイオメディカル・サイエンス・ディスカバリー(BISDI)」プログラムを立ち上げ、人工知能(AI)やバイオテクノロジーを利用した糖尿病の治療法を開発することを目指す。

その他、同行の一員だったアナリス・ベルリンデン内務・制度改革相は2月6日、UAEとの警察協力の強化に関する覚書に調印したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(大中登紀子)

(ベルギー、アラブ首長国連邦)

ビジネス短信 dee65332054c7b93