ASEAN識者、中国のCPTPP加入が与える影響の見方分かれる

(シンガポール、ASEAN)

シンガポール発

2022年02月18日

シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所〔旧・東南アジア研究所(ISEAS)〕が東南アジアの識者を対象に実施した調査(2月16日発表)によると、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への中国の加入が、「地域の経済的緊張を緩和させ、米中貿易紛争解決に貢献する」と回答した識者が31.0%だった。反対に、「経済的な緊張が高まり、米国を阻害させることで米中貿易紛争が悪化する」との回答が29.9%と、識者の間で見方が分かれた。また、中国のCPTPP加入により、「中国が困難としている国内構造改革と国内経済の現代化に取り組む機会になる」と回答したのは22.2%、「CPTPPの意義が低下し、多国間貿易システムへのインパクトが減る」が16.9%だった。

同調査はISEASが毎年実施しているもので、今回で4回目となる。東南アジア10カ国の政府関係者や学識者、産業界、メディア、非営利団体の関係者などを対象に、2021年11月11日から同年12月31日まで実施。1,677人から回答があった(注)。同調査によると、米中対立へのASEANの対応について、「ASEANがその適応能力と団結力を強化して、2大国からの圧力に対応するべき」との回答が46.1%と最も多かった。次いで、「米中のいずれの味方にならないという姿勢を継続するべき」が26.6%、「戦略的選択肢を拡大するためにも第3の戦略パートナーを見いだすべき」が16.2%、「米中のいずれかを選択するべき」が11.1%だった。

また、同調査によると、米中対立への対応における第3の戦略パートナーとして、EUを選択した識者が40.2%と最も多く、次いで日本が29.2%、オーストラリアが10.3%だった。さらに、主要国・地域の中で信頼すると回答した比率が最も高かったのは前年調査と同様に日本(54.2%)で、2位が米国(52.8%)、3位が欧州(48.5%)、4位が中国(26.8%)だった。

(注)同調査「2022年ASEANの概況」はISEASのユソフ・イシャク研究所のホームページPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からダウンロード可能。

(本田智津絵)

(シンガポール、ASEAN)

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