長引く新型コロナ禍で公衆衛生当局への評価が低下、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年02月15日

米国シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは2月9日、米国での「新型コロナ禍」が続く中で人々の認識の変化やワクチン接種に関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

長引くパンデミックの中、新型コロナウイルス対応について2020年3月と今回(2022年1月)の調査結果を比較すると、米国疾病予防管理センター(CDC)などの公衆衛生当局への評価が79%から50%に大きく低下した。各州政府議員に対しても70%から46%と落ち込みが大きく、各自治体の議員に対しては69%から50%に低下した。各地域の病院や医療センターへの評価は88%から81%と変化が比較的少なかった。ジョー・バイデン大統領の新型コロナウイルス対応への評価は、就任後の2021年3月(54%)から40%に低下した。

支持政党別では、特に共和党支持者の公衆衛生当局への評価は2020年3月の84%から今回26%に急降下した。民主党支持者では74%から69%に低下した。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に関して、公衆衛生当局が発表する情報への国民の認識が2021年8月から今回(2022年1月)まで変化しており、公衆衛生当局の情報に混乱させられるという回答が6割に達した。

詳細は次のとおり。

  • 公衆衛生当局の更新された情報提供が役立つ:61%から56%に低下
  • 公衆衛生当局が重要な情報を隠蔽(いんぺい)している:55%から57%に上昇
  • 公衆衛生当局の発表する情報に混乱させられる:53%から60%に上昇

共和党支持者のワクチン接種は6割

新型コロナウイルスのワクチン接種を少なくとも1回行った人は78%だった。支持政党別でワクチン接種の状況に違いがみられ、民主党支持者の90%は少なくとも1回の接種を完了しているが、共和党支持者は64%にとどまった。

接種完了者(注2)は73%で、48%は3回目の接種を完了している。支持政党別では、民主党支持者の85%が接種完了者で62%が3回目の接種を終えているが、共和党支持者では60%が接種完了者で33%が3回目の接種を終えている。

(注1)実施時期は、2022年1月24~30日。回答者は、全米の成人1万237人。

(注2)米国疾病予防管理センター(CDC)の定義では、ファイザー製あるいはモデルナ製のワクチンを2回またはジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンを1回接種した人。

(松岡智恵子)

(米国)

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