2021年の実質GDP成長率は3.69%に回復

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年02月16日

インドネシア中央統計庁(BPS)は2月7日、2021年のGDP成長率が3.69%だったと発表した。2020年のマイナス2.07%成長からプラス成長に転じた。併せて、2021年第4四半期(10~12月)のGDP成長率を前年同期比5.02%と発表した。3四半期連続でのプラス成長となり、前期の3.51%から成長が加速した(添付資料図参照)。

2021年のGDP成長率を、支出面からみると、全ての項目でプラスとなった。特に、輸出と輸入はそれぞれ24.04%増、23.31%増の2桁成長だった。産業別では、行政・防衛・社会保障を除く全ての産業でプラス成長だった。特に、医療サービス・社会保障(10.46%増)、情報・通信(6.81%増)の成長率が高かった。2020年は大幅なマイナス成長だった運輸・倉庫、宿泊施設・飲食も、それぞれ3.24%増、3.89%増のプラス成長に転じた。

加えて、GDP全体に占める割合が大きい製造業や卸売りおよび小売り・二輪四輪修理も、相対的に高い成長率(それぞれ3.39%増、4.65%増)となった。アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は「特に自動車産業が大きく貢献した」とし、「政府が導入した自動車と不動産セクターに対するインセンティブが、生産、消費の両面にプラスに働いた」とした(「CNBC Indonesia」2月7日)。

地域別では、GDPの5割強を占めるジャワ島が3.66%の成長率で、続いてスマトラ島が3.18%だった。ジャカルタ特別州の成長率は3.56%と、2020年のマイナス2.39%からプラスに転じた。

BPSのマルゴ・ユヲノ長官は「2021年後半の新型コロナウイルス感染者数の減少や行動制限の緩和が、経済回復を後押しした」とした(「カタダタ」紙2月7日)。一方、中央銀行は「現在実施しているワクチン接種の加速、経済開発、インセンティブ政策の継続などによって今後、内需が大きく伸びる」と予測する(「トリブン」2月8日)。ただし、スリ・ムルヤニ財務相は、プラス成長を経済回復の進展ととらえつつも、2022年については「オミクロン株の感染拡大やグローバル経済の不確実性の高まりなど、依然として注意が必要」とした(「CNN Indonesia」2月7日)。

(尾崎航)

(インドネシア)

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