近年で最大の医療インフラ整備計画、各地区で病院の新設開始

(ガーナ)

アクラ発

2022年02月24日

ガーナでは、政府が推進する「アジェンダ111」政策の下、地方都市の各地区で病院の新設工事が次々と開始されており、3月末には67病院に上る予定だ。施工開始から18カ月で完成する目標を掲げ、その後、医療機器などの調達・納入が行われる。

アジェンダ111は、2021年8月17日に政府が発表し、ガーナでは近年最大の医療インフラ整備計画だ。全国に合計111の病院を建設する計画で、101の地区病院の新設、3つの地域が分裂して新たにできた地域に6つの地域病院(ノース・イースタン、サバンナ、ボノ・イースト、アハフォ、ウェスタン・ノース、オティ)の新設、ウェスタン地域病院の改築、クマシとタマレの2つの精神病院の新設、アクラ精神病院の改築が含まれる。この計画は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年に政府がマニフェストで88地区病院を建設する当初案を拡充したかたちとなる。

各地区病院には、医療と外科症例の診察や、眼科、歯科、理学療法などの外来サービスなどの施設があり、救急・事故病棟、男女別の病棟、小児センター、隔離病棟、画像診断室などを設ける予定となっている。また、各地区病院の設立予算は1,700万ドル、うち約1,300万ドルは建設費用、400万ドルは医療機器の調達に使う計画だ。プロジェクトは実行期間が当初18カ月だったが、約3年以内に変更されている。

ケン・オフォリ・アタ財務相は2021年11月の2022年予算発表の際、91の地区病院の計画と現場検証が既に完了し、多くの現場で準備工事が始まっていると説明した。また、政府は作業を開始するために、2021年にガーナ投資インフラ基金(GIIF)を通じた1億ドルの基金を確保しているほか、2022年から2025年まで毎年1億~1億5,000万ドルの予算を計上している。政府は、全ての人に健康と福祉を確保し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の第7目標の達成を公約として掲げている。

(関根広亮)

(ガーナ)

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