ANAと米新興企業ジョビー・アビエーションが連携を発表、「空飛ぶクルマ」の実現に向け共同検討

(米国、日本)

米州課

2022年02月21日

ANAホールディングスは2月15日、電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するジョビー・アビエーション(本社:米国カリフォルニア州)との日本における運航事業の共同検討を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。「空飛ぶクルマ」とも称されるeVTOLは、渋滞の緩和や地球温暖化への対策など、持続可能な社会の実現に貢献する新たなモビリティとして注目を集めている。また、締結した覚書には、地上交通における連携などを想定してトヨタ自動車も参加しており、これら3社による日本の新たな運航事業に向けた検討が始まる。

ジョビーは、7人のエンジニアグループによって2009年に設立された。2012年から米国航空宇宙局(NASA)の全電動実証飛行機「X-57」や翼前縁非同期プロペラ技術(LEAPTech)計画に参加し、2021年にはニューヨーク証券取引所に上場を果たした。同社のeVTOLは2021年、1回の充電で154.6マイル(約250キロ)、合計で5,300マイル(約8,500キロ)超の飛行に成功しており、2024年の商業飛行開始に向けた開発が進められている。

ANAホールディングスによると、同社とジョビーは今後、日本国内の大都市圏を中心とした移動サービスの実現に向けて事業性を調査するだけでなく、旅客輸送サービスの実現に向けた運航およびパイロットの訓練、関係各社および国・自治体との新たな制度・法規への対応など、さまざまな側面で共同検討を進めるとしている。また、地上交通の分野では、トヨタ自動車を含めた3社による検討が行われるという。

日本では、経済産業省と国土交通省が中心となって、2018年8月から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催されている。当該3社もメンバー企業だ。2021年5月には、2025年大阪・関西万博での空飛ぶクルマ飛行実現に向けて、より具体的な議論を進めるための「大阪・関西万博×空飛ぶクルマ実装タスクフォース」の設置が決まり、プロジェクトのさらなる推進が期待されている。

(片岡一生)

(米国、日本)

ビジネス短信 be337df9f6b03b89