米連邦議会議事堂襲撃事件、トランプ前大統領の責任大とする割合は低下、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年02月09日

米国シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは2月8日に、2021年1月6日に発生した米国連邦議会議事堂襲撃事件(以下、襲撃事件)から1年を経過した国民の意識に関する調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

襲撃事件の発生直後の2021年1月に実施した調査では、自身の支持者を扇動したことへの前大統領ドナルド・トランプ氏の責任が大きいとする割合は、全体で52%と半数を超えていたが、2022年1月の調査では42%に低下した。支持政党別では、トランプ氏の責任が大きいとする割合は、民主党支持者でも前回の81%から70%に低下し、共和党支持者では18%から10%に低下した。

また、連邦下院特別委員会による襲撃事件の調査を、公正かつ妥当とする割合は全体で44%(非常に15%、ある程度29%)で、支持政党別では、民主党支持者は65%と過半を占めたが、共和党支持者は21%という結果になった。

2020年大統領選挙の正当な勝者の認識が襲撃事件の見解を分ける

共和党支持者では、2020年大統領選挙でトランプ前大統領とジョー・バイデン大統領のどちらが正当な勝者と考えるかで、トランプ氏の襲撃事件への責任や襲撃事件への見方が分かれている。

共和党支持者の3分の2近くは、トランプ氏が勝ったと認識している(確実に勝った:31%、多分勝った:33%)。こうした見解を持つ共和党支持者は、「トランプ氏の襲撃事件への責任は全くない」「襲撃事件は過度に注目されている」とし、襲撃事件の調査の公平性も疑う傾向があるという。具体的には、トランプ氏が確実に勝ったと認識している人のうち、82%はトランプ氏の襲撃事件への責任は全くないとし、87%は襲撃事件が過度に注目されており、71%は襲撃事件の調査の公平性に信頼を置けない、としている(注2)。

一方、共和党支持者でバイデン氏が確実に勝ったとする人では、それぞれ21%、32%、16%となり、極端な傾向はみられなかった。

(注1)実施時期は、2022年1月10~17日。対象者は、全米の成人5,128人。

(注2)トランプ氏が多分勝ったとする人のうち、63%はトランプ氏の襲撃事件への責任は全くないとし、70%は襲撃事件が過度に注目されており、48%は襲撃事件の調査の公平性に信頼を置けないと回答。

(松岡智恵子)

(米国)

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