外資系企業の貿易は2割増もシェアは低下、民営企業が牽引

(中国)

中国北アジア課

2022年02月07日

中国税関総署の統計によると、2021年における中国に進出する外資系企業の貿易総額は前年比20.7%増の2兆1,717億ドル、うち輸出は23.7%増の1兆1,530億ドル、輸入は17.5%増の1兆187億ドルだった。外資系企業による輸入額は初めて1兆ドルを突破した。

貿易総額を地域別でみると、広東省が6,956億ドルで1位、次いで江蘇省が4,240億ドル、上海市が3,875億ドルとなった(添付資料表参照)。上位10地域には、東部沿海地域から8地域、西部地域から2地域(四川省7位、重慶市10位)が入った。

中国の貿易総額に占める外資系企業の比率は35.9%、うち輸出は34.3%、輸入は37.9%だった。

中国の貿易に占める外資系企業の比率の推移をみると、2000年代前半にかけては上昇局面が続き、2006年には58.9%に達した(添付資料図参照)。その後は低下傾向をたどっている。

2021年の貿易に占めるその他形態企業の比率をみると、民営企業が47.3%(うち輸出は56.0%、輸入は36.5%)、国有企業が15.2%(うち輸出は8.0%、輸入は24.2%)となっている。

税関総署によると、2021年において貿易実績のある企業数は前年比3万6,000社増の56万7,000社。その多くが民営企業とみられる。同年の貿易増加に占める民営企業の寄与率は58.2%に達しており、民営企業は中国の貿易において、より主導的な役割を果たしている。

(中井邦尚)

(中国)

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