政府が新たなデジタルコンテンツ支援策を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年02月03日

サウジアラビア政府は2月2日、リヤド市内で開催中の大規模テックイベント「LEAP2022」の場で、新たなデジタルコンテンツ支援プログラム「Ignite(点火)プログラム」を正式に発表した。

通信情報技術省の同プログラム担当責任者である通信情報技術省ムハンマド・アルロビヤン上級顧問は「世界のデジタルコンテンツ市場が拡大する中、サウジアラビアが外国企業を呼び込みつつエコシステムを創出し、エンターテインメントとメディア制作の拠点になることが狙い」だと説明。2030年までに国内市場規模と同分野の雇用規模をそれぞれ3倍と6倍に拡大するべく、11億ドル規模の投資を行い、国内コンテンツ産業育成と必要な人材開発を行う計画があるとした。

産業支援に充てる額は、既存の公的投資ファンドとインセンティブを組み合わせて総額8億4,000万ドル規模が想定されている。産業従事者の能力開発については、インキュベーターやアクセラレーターなどを利用し、300人の起業家と60社のスタートアップ企業の育成が目標として掲げられている。このため、政府はゲームや映画、デジタル広告など幅広いコンテンツ分野で、今後3年間に合計4,400人以上の人材を育成する意向だ。プログラムは通信情報技術省を中核に、関係省庁、民間企業と連携して行われる。投資省の担当管理職であるアルホサイン・ハミダディン課長は「日本企業の投資の際に、ぜひ利用してほしい」と強調する。

将来に向けた総額64億ドル規模の投資計画を発表

「LEAP2022」の会期中、政府は「Igniteプログラム」を含め、未来に向けた先端技術分野に今後64億ドル規模の投資計画があることも発表した。アブドゥッラー・アルスワハ通信情報技術相が明らかにしたもので、内訳は、サウジアラムコによるスタートアップ企業への投資(約10億ドル)、NEOM Tech & Digitalによる未来技術への投資(約10億ドル)、サウジテレコム(STC)による中東ハブ拠点構想(約10億ドル)、J&T ExpressとeWTP Arabia Capitalによる湾岸地域スマート物流構想(約20億ドル)、「Igniteプログラム」を含む起業家支援構想(約14億ドル)となっている。

写真 「Igniteプログラム」発表の様子(ジェトロ撮影)

「Igniteプログラム」発表の様子(ジェトロ撮影)

(秋山士郎)

(サウジアラビア)

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