アルゼンチン・チリ陸上国境のトラック3,000台の立ち往生が解消

(アルゼンチン、チリ)

ブエノスアイレス発

2022年02月01日

アルゼンチンのメンドーサ州とチリの間の陸上国境パソ・クリスト・レデントールで貨物を運搬するトラック約3,000台が立ち往生していた問題が1月29日、約2週間ぶりに解消した。

1月24日付の現地紙「インフォバエ」(電子版)によると、陸上国境のチリ税関で新型コロナウイルスのクラスター感染が発生したことを受け、国境を通過するトラックの全ての運転手に対し1月14日から越境前の抗原検査の受検が求められることになった。しかし検査能力が十分ではなく越境に時間を要したため、多くのトラックが立ち往生することになった。

1月13日以前は、出国72時間前までのPCR検査の陰性証明と、抜き打ちで実施される抗原検査を受検すれば越境できた。チリからアルゼンチンに入境するトラックについては1月14日以降もPCR検査の陰性証明書があれば越境できたため、アルゼンチン側のトラック運転手が報復のため道路を封鎖し、チリからアルゼンチンへの越境も困難になっていた。1月26日付の現地紙「ラ・ナシオン」によれば、物流の停滞による経済的損失は3,000万ドルに達する。

アルゼンチン治安省によると、両国政府が協議した結果、1月29日から2月1日までの期間は、アルゼンチン側で待機中だったトラック運転手の7割に抗原検査を実施し、陰性であれば通行を認めることになった。また、出国72時間前までのPCR検査の陰性証明書を提示すれば、抗原検査不要で通行することも可能とした。2月2日以降は、出国48時間前までにPCR検査の陰性証明書をチリ側に提示すれば通行が可能となる。

(西澤裕介)

(アルゼンチン、チリ)

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