三井物産、クリーン水素技術の加エコナ・パワーに出資

(日本、カナダ、米国)

トロント発

2022年02月07日

三井物産は2月1日、天然ガスなどに多く含まれるメタンからクリーン水素を製造する次世代技術を開発するカナダの新興企業、エコナ・パワー(本社:ブリティッシュ・コロンビア州、以下、エコナ)への出資を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

エコナは、メタンを高温条件下で水素と固体炭素に分離させるメタン熱分解システムを開発。大部分の炭素分が固体炭素として生成されるため、二酸化炭素(CO2)の処理が不要で、従来の水素製造技術と比べ、同程度の製造コストに抑えながらも製造過程におけるCO2排出量の削減を実現する。さらに、既存の天然ガスや液化天然ガス(LNG)のインフラを活用しながら、クリーンな水素製造が可能という。

エコナのプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、米国の石油サービス大手ベーカー・ヒューズ(本社:テキサス州ヒューストン)が主導し、三井物産を含む複数のパートナー企業が参画する出資総額は7,900万カナダ・ドル(約71億8,900万円、Cドル、1Cドル=約91円)という。同社最高経営責任者(CEO)のクリス・リード氏は「この資金により、われわれの技術の商業化に一歩近づいた」と述べた。ベーカー・ヒューズは2021年11月にもエコナへの出資を発表しているが(2021年11月16日記事参照)、日系企業が参画するのは初めて。

エコナは、2020年にカナダ政府のプログラム「ブレイクスルー・エネルギー・ソリューションズ」において、気候変動対策に大きな影響を与える有望なソリューションを開発するカナダ企業10社に選出された。また、米国クリーンテックグループが発表する、2022年グローバルクリーンテック100社の1社に選ばれている。

(江崎江里子)

(日本、カナダ、米国)

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