新型コロナ行動規制を段階的に緩和、3月下旬には原則撤廃の見込み

(ドイツ)

ベルリン発

2022年02月21日

ドイツのオラフ・ショルツ首相と国内全16州の州首相は2月16日、全国一律で実施している新型コロナウイルス対策の行動規制を段階的に緩和することで合意した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ショルツ首相は、オミクロン型変異株による感染拡大のピークは越えたとの見解を示し、「楽観的な展望が開けている」として、段階的な緩和に踏み切ることとした。過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数(7日間指数)は、2月11日発表の1,472.2人をピークに、17日発表では1,385.1人まで減少している。

緩和する連邦レベルの行動制限措置は以下のとおり。なお、この合意を踏まえ、各州政府は地域の感染状況に応じて新たな防疫措置を決定し、各州で実情に適合した行動規制緩和が順次実施される(注)。

〇第1段階(2月16日以降):

  • 私的な集まり:ワクチン接種者と回復者のみの私的な集まりは、これまでの上限10人の制限を撤廃。ワクチン未接種者が参加する私的な集まりは3月19日まで、自らの世帯と最大2人までのもう1世帯に属する者に制限(14歳未満の子供は人数制限の対象外)。
  • 小売店:ワクチン接種証明書などの提示なしで、全ての人が入店可能。ただし、医療用マスク(FFP2マスクを推奨、州によりFFP2マスク限定)の着用を義務付け。

〇第2段階(3月4日以降):

  • 飲食店、宿泊施設:ワクチン接種証明、回復証明、陰性証明のいずれかを提示。
  • スポーツの試合などの大型イベント:(1)ワクチン接種証明または回復証明に加えて、陰性証明またはブースター接種証明を提示。もしくは(2)ワクチン接種証明、回復証明のいずれかを提示。(1)(2)いずれかのルールで開催可能。また、観客を入れてのイベント開催を可能にするが、収容人数の上限規制を設け、屋内イベントは収容可能人数の60%まで、かつ最大6,000人まで。屋外イベントは収容可能人数の75%まで、かつ最大2万5,000人まで。医療用マスク(可能な限りFFP2マスク)を着用。

〇第3段階(3月20日以降):

  • 公共交通機関や公共施設などでのマスク着用や対人距離確保などの基本的な保護措置を除いて、原則として全ての行動制限措置を撤廃。
  • 在宅勤務:2021年11月末から実施していた在宅勤務の義務規定は、原則として撤廃。

連邦政府の新型コロナウイルス専門家委員は2月13日に発表した第6回新型コロナウイルス対策に関する提言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、新たな変異株の流行によって遅くとも2022年秋には新たな感染の波が到来する懸念を指摘している。パンデミックを段階的に収束させるには少なくとも3回のワクチン接種が最も効果的な手段として、秋冬の感染拡大の予防にはワクチン接種率の向上が必要と強調した。

(注)各州の行動規制の詳細は、在ドイツ日本大使館のウェブサイトの新型コロナウイルスに関する最新情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(中村容子)

(ドイツ)

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