付加価値税率を8%に引き下げ、経済回復に向けた時限措置

(ベトナム)

ハノイ発

2022年02月14日

ベトナム政府は、2022年2月1日から12月31日まで、付加価値税(VAT)の税率を現行の10%から8%に引き下げる。経済対策をまとめた国会決議43号(43/2022/QH15、1月11日付)に基づく減税措置の一環で、新型コロナウイルス流行の影響を受けた事業者や消費者を支援する狙いだ。

1月28日付の政令15号(15/2022/ND-CP)によると、VAT減税の対象は、標準税率10%が適用されている商品およびサービス。ただし、電気通信、金融、銀行、証券、保険、不動産、金属、鉱物(石炭を除く)、コークス、石油、化学製品、情報技術関連は対象外となる。また、特別消費税の対象となるもの(自動車、たばこ、アルコール、ガソリンなど)、VATの軽減税率5%が適用されているもの(水、畜産物、農産品、医薬品など)も対象には含まれない。

VAT減税に当たり、事業者は対象の商品およびサービスに対して、8%の税率を適用した請求書(インボイス)を発行する必要がある。VAT申告時には、通常の申告書類に加え、政令15号の付録にある申請書も提出しなければならない。

政令15号には、法人税の損金算入に関する規定も含まれる。新型コロナウイルスの感染対策に貢献する目的で、企業が政府機関や医療機関などに提供した寄付金や支援物資の費用は、2022年における法人税の損金算入費用として認められる。

今回の減税措置により、VAT分の税収は約49兆4,000億ドン(約2,519億円、1ドン=約0.0051円)削減される見込みだ。法人税の損金算入分も含めると、減税対象は約51兆4,000億ドンに相当する。

(庄浩充)

(ベトナム)

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