2021年の日本の対ASEAN直接投資、前年比58%増の3兆1,000億円

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、日本)

バンコク発

2022年02月10日

日本の財務省は2月8日、2021年の日本の対外直接投資統計PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(速報値)を公表した。同年における日本の対ASEAN直接投資額(ネット、フロー)は、前年比57.6%増の3兆1,082億円と伸長した。シンガポール、ベトナム、マレーシアなどへの投資が拡大した。日本の対外直接投資(世界全体)は0.4%減の16兆2,547億円と横ばいだったが、対米国(49.7%増、6兆6,324億円)と並び、ASEANは日本の直接投資の牽引役となっている。

日本の対外直接投資全体に占める構成比としては、ASEANは19.1%と、太宗を占めた米国(40.8%)に比べて半分程度だったが、EU(8.6%)の2.2倍、中国(6.6%)の2.9倍の規模となった。

ASEANの中でみると、最大の直接投資先となったのはシンガポールで、前年比2.4倍の1兆8,632億円だった。続いて、ベトナムが68.6%増の4,120億円と拡大し、2番手となった。両国への直接投資額は、現行基準での統計が開始された2014年以降では最高額になった。なお、マレーシアも38.4%増の2,315億円と好調で、2015年以降の最高額だった。

他方、ASEANの中で前年2位のタイは前年比17.6%減の3,353億円となり、3位に後退した。また、インドネシアも16.7%減の1,501億円と低調で、フィリピンも19.5%減の876億円と振るわなかった。

(北見創)

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、日本)

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