ヒューマンライフ・マネジメント、インドの在宅医療スタートアップを完全子会社化

在宅医療クリニックの運営サポートを手掛けるヒューマンライフ・マネジメント（HLM、本社：東京都港区）は1月28日、インドで在宅医療・在宅介護のプラットフォームを展開するイージス・ケア・アドバイザーズ〔ブランド名「Care24（ケア・トゥウェンティーフォー）」〕を完全子会社化したと発表した。既に2019年にCare24との資本業務提携を実施していたが、全株式を取得することで、インドでの医療サービスの拡大・強化を図る。

HLMが完全子会社化したCare24は、2014年にムンバイで創業したスタートアップだ。現在は主にムンバイとニューデリーの2大都市を中心に、在宅医療・在宅介護サービスのマッチングを行うオンラインのプラットフォームを提供している。サービス提供者と利用者の平均マッチング数は1日当たり約1,000組に上る。また、2020年秋以降、HLMが日本国内で培った在宅医療に係るノウハウを生かし、インド国内での在宅医療サービスを試験的に展開し始めた。現在、ムンバイ近郊に住む高齢者4,000人以上が顧客になっているという。

13億人以上の人口を抱えるインドの人口ピラミッド（年齢別人口構成）は、多産多死の段階にあるピラミッド型（富士山型）だが、大都市圏では核家族化が進んでおり、高齢者の単独世帯は増加傾向にある。日本と異なり、インドでは健康保険や介護保険が十分に整備されておらず、在宅医療・在宅介護サービスを受けたくても受けられない層も多いと考えられることから、所得の増加に伴い、この分野の需要は将来的に大きく伸びることが見込まれる。

HLMはCare24との連携を通じ、インドにおける終末期医療や在宅重症患者のケアなど新しい医療サービスの可能性も模索するという。また、インドで得たノウハウを活用し、タイやベトナム、インドネシアといった東南アジア諸国での事業展開も検討していく方針だ。

（広木拓）