国際旅客便の発着を2月7日に再開

(モロッコ)

ラバト発

2022年02月07日

モロッコ政府は1月26日、国際航空旅客便の定期運航再開を発表し、2月7日から再開となった。2月1日には、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、空港での新たな水際対策を公表し、運航再開の同じ7日から実施している。

モロッコはオミクロン型変異株への対策の一環として、2021年11月末から約2カ月間、国際航空旅客便の定期運航を停止していた。年末年始に毎年、欧米からの滞在型観光客を中心に受け入れてきたマラケシュなどの観光業界は苦境に立たされており、政府は20億ディルハム(約248億円、1ディルハム=約12.4円)の予算を計上し、一時金給付や社会保険料の支払い延期、利子補給などの支援を発表した。しかし、旅行代理店関係者は対応を不満として、首都ラバトの観光省前で抗議するなど、運航の再開を求める声が高まっていた。

1日当たりの新型コロナウイルス感染者数は1月19日の9,355人をピークに、減少傾向に転じ、直近の1週間平均(2月6日現在)では2,264人となった。こうした状況を受けて、国際航空旅客便の定期運航再開となり、2月7日からロイヤル・エア・モロッコをはじめ、エールフランスや、フランス地方都市とモロッコを結ぶ格安航空会社のトランサビア航空などが運航を再開している。

運航再開に伴って2月7日以降、空港での水際対策に新たな措置が加わった。モロッコへの入国には、ワクチンパスや搭乗前48時間以内に実施したPCR検査陰性証明のほか、旅行者衛生フォーム(インターネット経由で入手可能)を搭乗前に提出する必要がある。さらに、到着時に全乗客に迅速抗原検査を行い、無作為に抽出した旅行者のグループにPCR検査を実施する。到着48時間後に追加検査を実施する可能性もある。検査の結果が陽性で軽症の場合は自宅やホテルで自己隔離、重症の場合は病院に入院させるとしている。

1月末までとしていた「衛生緊急事態」期間は、2月末まで延長されている。入出国の際は、ルール変更や再度の定期運航の停止なども想定して、旅行代理店などから最新の情報を入手して行動することを勧める。

(本田雅英)

(モロッコ)

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