2021年のGDP成長率はプラス1.6%、2022年見通しは据え置き

(タイ)

バンコク発

2022年02月28日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は2月21日、2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前年同期比プラス1.9%だったと公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。第3四半期(7~9月)の同マイナス0.2%からプラス成長に転じた。

需要項目別でみると、個人消費支出は0.3%増となり、前期(同3.2%減)から増加に転じた。新型コロナウイルス感染拡大が鈍化したため、政府の講ずる規制措置が緩和されたことや、政府が実施する消費刺激策などの影響から、個人消費は拡大した。内訳は、サービス支出が1.7%減と前期(同5.4%減)からマイナス幅が縮小。健康サービス、住宅賃貸、水道、電気、エネルギーなどの消費は伸長した。また、政府消費支出は8.1%増と、前期(同1.5%増)から大きく拡大した。物品、サービスの調達費も11.4%と拡大した。

総固定資本形成は0.2%減と、前期(同0.4%減)に引き続き収縮。民間投資が0.9%減と前期(同2.6%増)から減速。他方、政府投資は1.7%増と、前期(同6.2%減)から拡大した。この四半期の投資予算執行率は16.0%で、前期(同24.0%)から下回ったものの、前年同期(12.1%)を上回った。

物品輸出額は前年同期21.3%増となり、前期(同15.7%増)に引き続き拡大。ピックアップトラック(55.4%増)、化学品(51.7%)、乗用車(25.7%増)などが増加した一方、ゴム製品(15.1%減)、加工品(2.4%減)などが減少した。

NESDCはまた、2021年通年のGDP成長率をプラス1.6%とした。前年(同マイナス6.2%)からプラス成長に転じた。主要貿易相手国の需要が堅調なことから、輸出を背景に製造業が伸長。個人消費と個人投資も拡大した。

NESDCは2022年の実質GDP成長率見通しを3.5%~4.5%とし、従来の見通しを据え置いた。国内需要と観光業の回復、物品輸出や公共投資からの支援が引き続き拡大することなどがプラス要因となるとした。

(岡本泰)

(タイ)

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