友好国のベネズエラ、ロシア支持を一貫して表明

(ベネズエラ、ロシア、ウクライナ)

ボゴタ発

2022年02月28日

ロシア軍のウクライナに対する軍事行動を受け、ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は2月24日、公式ツイッターに「ベネズエラは、ウクライナにおける危機の激化に懸念を表明し、欺瞞(ぎまん)と、米国の率いるNATOによるミンスク合意違反を遺憾とする。関係国間での現実的な対話を求める」とする声明を掲載した。

マドゥーロ大統領は2月22日、出演したテレビ番組で「ロシアと当該地域の平和保持のため、ベネズエラはウラジーミル・プーチン大統領を全面的に支持する」と発言するなど、ロシア支持を一貫して明確にしている。

ベネズエラにとりロシアは、軍事のほか原油輸出や国内製油所の再建、さらには保健・衛生、食糧分野など幅広い協力関係を持つ友好国。ベネズエラは、米国の経済制裁により最も重要な外貨獲得手段である原油輸出が自由に行えないが、これまでイランやロシアの企業を介した複雑なオペレーションを通じ、生産した原油のアジア向け輸出とその代金回収を実現している。

予想される原油価格のさらなる上昇は、同国にとり有利とみられる一方で、今後の米国や欧州各国による対ロシア制裁により、ロシアによるベネズエラへの支援活動全体が減退するほか、ベネズエラがこれまでに確立した原油輸出に関する各種の取引がより複雑化することが懸念される。

(マガリ・ヨネクラ、豊田哲也)

(ベネズエラ、ロシア、ウクライナ)

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