保健省がブースター接種の有効性に関する研究結果を公表

(タイ)

バンコク発

2022年02月10日

タイ保健省は2月7日、ブースター接種(新型コロナウィルスのワクチン3回目接種)の有効性に関する研究結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。同研究結果によれば、ブースター接種を受けた場合、死亡によるリスクを96%低減することが可能。加えて、68%の確率でオミクロン型変異株の感染防止にも有効とした。

保健省の会見内容の主なポイントは以下のとおり。

  • 米国や欧州などにおいて、新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向にある。一方、アジア、特にインドでの感染者が増加傾向にあり、継続的な監視が必要な状況。タイにおいては、直近7日間の新規感染者数の平均が、1日当たり1万人を超えるなど、増加傾向にあるものの、死者数や重症患者数は低位で推移している。
  • 現在、タイでは、0~19歳の子供の新型コロナウイルスへの感染率が高いと理解。他方、学校など教育機関からの報告によれば、ほとんどの学生の感染者は無症状だ。このような状況に鑑み、政府は、子供に対するワクチン接種を推奨する。ファイザー製のワクチンは5歳以上から、シノバック製およびシノファーム製ワクチンは6歳以上から接種可能とする。
  • 政府が実施したワクチン接種に関する研究結果から、2回のワクチン接種完了者の感染予防率は65%、死亡を含めた重症化予防率は88%であることが分かった。他方、ブースター接種を受けた者の感染予防率は94%、死亡も含めた重症化も98%の確率で予防でき、2回のワクチン接種完了者よりも効果が高いとした。
  • また、チェンマイ県で最近実施された研究でも、デルタ型変異株に対する効果として、ブースター接種者の93%に感染予防効果があり、99%に死亡を含む重症化防止が確認された。他方、オミクロン型変異株に対する効果としては、68%に感染予防効果があり、96%に死亡を含む重症化防止が確認された。
  • これらの結果から、あらためてブースター接種の有効性が確認でき、政府としても引き続き、ブースター接種を推奨する。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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