CUSMA紛争解決パネル、カナダ製太陽光発電製品への米セーフガード措置は違反と認定

(カナダ、米国、メキシコ)

トロント発

2022年02月17日

カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、米国ではUSMCA)の紛争解決パネルは2月15日、カナダ製太陽光発電製品に対する米国の緊急輸入制限(セーフガード)措置がCUSMAの条項に違反していると裁定した報告書を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国では、2018年1月に当時のトランプ大統領が太陽光発電製品の輸入に対してセーフガード措置の発動を命じる大統領布告を発出し(2018年1月30日記事参照)、同年2月7日から4年間の2022年2月6日まで、発動1年目の税率を30%、その後は年5ポイントずつ引き下げるかたちで太陽光発電製品への追加関税の適用を行ってきた。カナダはこれを不服として、2021年1月28日にCUSMA第31章に基づき米国と協議を行い、同年6月18日に紛争解決パネルの設置を要請していた。カナダ・グローバル連携省によると、措置発動後、カナダから米国への太陽光発電製品の輸出は82%減少したという。

紛争解決パネルの決定は2月1日にカナダ・米両政府へ通知され、15日に報告書が一般公開された。報告書では、米国がカナダからの輸入品を太陽光発電関連のセーフガード措置から除外しなかったことによりCUSMA第10.2条に違反し、また、カナダからの太陽光発電製品への関税を不当に引き上げることにより、CUSMAの第2.4.2条に違反したと認定したことが明らかになっている。

米国はパネルの決定から45日後に当たる3月16日までに、パネルの勧告に従ってカナダからの輸入品に対する関税を撤廃する必要がある。米国のジョー・バイデン大統領は、トランプ前大統領のセーフガード措置の有効期限が2月6日に迫る中、2月4日付で同措置を4年間延長する大統領布告を発表した(2022年2月7日付記事参照)一方、米国通商代表部(USTR)にCUSMA加盟国のカナダやメキシコへのセーフガード措置の停止について交渉するよう指示し、対話の姿勢を見せた。これを受け、カナダのメアリー・エング国際貿易・輸出振興・中小企業・経済開発相は「カナダの太陽光発電製品に対する米国の関税が不当であり、CUSMAに違反していることを明確に確認したCUSMA紛争解決パネルの認定結果を歓迎する。米国がカナダとメキシコとの解決を追求する意向であることを歓迎する」とコメントした。

(飯田洋子)

(カナダ、米国、メキシコ)

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