英国のCPTPP加入手続き進展、国際通商相は日本などアジア訪問へ

(英国、日本、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、オーストラリア、ベトナム、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ)

ロンドン発

2022年02月21日

英国政府は2月18日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の加入手続きに関し、進展を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

CPTPP協定締約国は同日、英国の加入作業部会が2021年9月28日に開始した第1回会合の終了に合意。同会合では英国の協定義務順守に向けた取り組みや状況について議論・検討が行われた。これに伴い、英国は第2段階となる市場アクセスの交渉へと移行し、市場アクセスのオファーなどを同部会に提出することが求められる。その他の今後の段取りについては、締約国と英国の間で調整中とされている。

また、英国政府は同日、アン・マリー・トレビリアン国際通商相が翌週にアジアを歴訪することを発表。インドネシアと日本、シンガポールを訪問し、インド太平洋地域の貿易関係の深化を図るとしている。トレビリアン氏は今回の訪問について「グローバルブリテン」を掲げてインド太平洋地域の主要パートナーと貿易に関し価値ある会談を実施し、2022年末までにCPTPP加入を確実にするために働きかけを行うと期待を示した。

今回の発表について、英国産業連盟(CBI)のカラン・ビリモリア会長は「世界でも最大規模の自由貿易協定への加入という英国の目標に向けた重要な一歩」とコメント。金融サービス業の業界団体The City UKの国際貿易・投資部門長二コラ・ワトキンソンも「CPTPP加盟国の中には、英国の金融業とその関連専門サービス業にとって重要な成長市場が含まれている」として期待を示した。また同氏は、英国のCPTPP加入が実現した場合、デジタル貿易に関する規制や規制協力の促進、サービス貿易の自由化に向けた革新的な取り組みを進めるため、環太平洋諸国との連携強化が可能となるとしている。

(山田恭之)

(英国、日本、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、オーストラリア、ベトナム、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ)

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