GJ州政府が「バイブラント・グジャラート2022」の中止を正式決定

(インド)

アーメダバード発

2022年01月07日

インドのグジャラート(GJ)州政府は1月6日、ラジェンドラ・トリベディ州災害担当相がメディア会見し、新型コロナウイルス新規感染者の拡大傾向に鑑み、1月10日から開催予定だった「バイブラント・グジャラート2022(VG2022)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中止・延期を公式に発表した。今後、同イベントがいつ開催されるかは今のところ明らかにされていない。

VG2022は、「新型コロナ禍」により1年間延期された後、あえて来場を前提とした大型投資誘致イベント。会期が迫った当地では、「サミット開会式」や「トレードショー」が開催される予定だったマハトマ・マンディール会議場、ヘリパット・グラウンド見本市会場で、開会に向けての準備が急ピッチで進んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大が再び水を差したかたちだ。

1月5日のインドの新規感染者は、24時間の間に9万928人増加し、前日の5万8,097人から大幅な増加がみられた(うち、グジャラート州の新規感染者は3,350人)。2021年末からの世界的なオミクロン株の流行を背景に、インドでも再び新型コロナウイルス感染拡大の兆候があり、2022年1月に入ってからは各州で拡大速度が急激に進み、ニューデリーでは週末の外出禁止令に踏み切るなど、各州政府は第3波を警戒する動きが始まっていた(インディアン・エクスプレス1月6日)。

今回のイベントでは、恒例によりナレンドラ・モディ首相による開会式が予定されていたほか、26カ国のパートナーカントリーが参加し、数カ国の国家元首や知事、外務相などの政府要人、グローバル企業のCEO(最高経営責任者)らの来訪が決定していた。また、国内からはタタ、リライアンス、アダニ、ビルラ、ゴエンカ、ヒンドゥージャといったインドを代表する財閥グループの経営幹部の参加も見込まれていたが、直近の新型コロナウイルス感染再拡大を受けて、参加国・機関からの参加ミッションのキャンセルが出ていた。

ジェトロの各インド事務所は、「日本グループの開会式参加取りまとめ」「ジャパン・パビリオン出展」「ジャパン・セッション開催」「GJ州有望産業視察ツアー」などの実施に向けて、日本企業から100人以上の参加者をサポートする準備を着々と進めていた。

インドでは近年、グリーン投資に対するインセンティブ付与や諸規制の導入〔電気自動車(EV)などに対する優遇策や、廃車制度の導入など〕が積極的に実施されている。また、インド企業のグリーン技術に対する投資意欲も高く、市場参入の好機だ。この傾向は、2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)において、モディ首相が「2070年までにカーボンニュートラルを実現する」と発言したことにより加速しており、インド政府や企業からは、「水素技術」などの「新しいグリーン関連技術」において世界的に高い技術力を有する日本企業に対する期待が高まっている。

今回の「VG2022」では、新たなテーマとして、ジェトロがこれら新しいグリーン関連技術領域で日本を代表する企業を前面に打ち出し、他の「Make In Gujarat」「DX実証事業」といった重要な企業群とともに「ジャパン・パビリオン」に出展し、「ジャパン・セッション」において各社の取り組みに関するプレゼンテーションを行う予定だった。

(古川毅彦)

(インド)

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