OMCパワー、非電化地域向けの小型太陽光発電所新設

(インド)

ニューデリー発

2022年01月11日

三井物産の出資先であるインドの分散電源事業者OMCパワーは2021年12月17日、インド北中部ウッタル・プラデーシュ州に新設した小型太陽光発電所の開所式を行った。太陽光と蓄電池を活用した分散型電源を活用し、インド国内の非電化・系統脆弱(ぜいじゃく)地域の法人・個人に安定的かつ環境負荷の少ない電力を提供することで、地域経済の発展と二酸化炭素(CO2)排出削減に貢献する。

開所式には、「太陽に関する国際的な同盟(ISA)」(注)の調査団も出席した。ISAのマトゥール事務局長は、インドにおいて本事業の価値が高いとした上で、今後のさらなる事業拡大への期待を述べた。

都市部と農村部の生活水準の格差が大きいインドにおいて、非電化農村部への電力供給は社会的な課題となっている。OMCパワーの取り組みは、二酸化炭素の削減や地産地消という世界的な潮流に合致しているだけでなく、広い国土の中で生活水準の差が拡大していくインドにおいて、地域のニーズに即した社会的価値を提供し、事業化に成功している好事例だ。今後、OMCパワーはISAとともに、インド国内だけでなく、アフリカでの展開可能性についても協議する予定だ。

なお、OMCパワーとしては、今回のような小型太陽光発電所を、インド国内で既存240サイトから1,000サイトまで段階的に増設し事業拡大をしていく計画だが、電力の供給にとどまらない新たな付加価値提供の向上という観点からも、他分野との連携など協力できる企業とは積極的に協業を検討していきたい方針だ。

写真 開所式の様子(OMCパワー提供)

開所式の様子(OMCパワー提供)

写真 開所式の出席者(OMCパワー提供)

開所式の出席者(OMCパワー提供)

(注)2015年11月の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)開催期間中に、国際社会における太陽エネルギーの飛躍的な普及、拡大を目的とする日射量の多い国の間での協力のプラットフォームとして、インド政府が立ち上げたイニシアチブ(外務省HPより)。

(大瀧拓馬)

(インド)

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