新型コロナ禍でも2021年のシンガポール港のコンテナ取扱量は過去最大

(シンガポール)

シンガポール発

2022年01月17日

シンガポール海事港湾庁(MPA)は1月13日、2021年のシンガポール港のコンテナ取扱量が速報値で3,746万7,600TEU(20フィートコンテナ換算)となり、「新型コロナ禍」に伴う世界的なサプライチェーンの混乱の中でも過去最大だったと発表した。

シンガポール港のコンテナ取扱量は2020年に前年比0.9%減と前年を下回ったが、2021年には1.6%増とプラスに転換した(添付資料参照)。イスワラン運輸相は「シンガポールの海運産業は過去2年間、パンデミックによる打撃を受けながらも力強さをみせた」と強調した。

また、MPAによると、シンガポール港の2021年の船舶燃料(バンカー)の販売量は5,004万トンと過去最高となり、世界最大の船舶燃料補給港の地位を維持した。5,004万トンのうち、4,999万トンが従来の重油燃料で、残り5万トンが液化天然ガス(LNG)燃料だった。シンガポールは2021年3月から、LNG燃料船へのLNG給油を始めている。MPAは今後も、海運産業の脱炭素化に向けて船舶燃料の多角化に取り組むとしている。

次世代トゥアス港の第1期、2022年中に稼働へ

一方、シンガポール南西部に建設中の大型次世代港、トゥアス港の埋め立て工事が2021年11月末に完成した。同港は2022年末までに、第1期の最初の2バースを稼働させる予定だ。第1期工事では、21の深海バースが完成し、年間2,000万TEUのコンテナ取り扱い能力を持つことになる。トゥアス新港は、現在、国内に5カ所あるコンテナターミナルを集約し、最新のハイテク技術を導入した年間6,500万TEUの取り扱い能力を持つ港となる予定で、2040年代に最終的に完成する見通しだ(2019年5月22日記事参照)。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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