2021年の乗用車販売、前年比26.7%増の308万台

(インド)

ベンガルール発

2022年01月21日

インド自動車工業会(SIAM)は1月14日、2021年12月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は前年同月比13.3%減の21万9,421台だったが、通年(2021年1月~12月)では、新型コロナウイルス感染の影響で販売が落ち込んだ2020年を上回り、26.7%増の308万2,421台となった(添付資料表1参照)。

SIAMの鮎川堅一会長(マルチ・スズキ社長)はプレスリリースで「(販売が活発化する)祝祭シーズンを含む2021年度第3四半期(10~12月)の販売台数は期待通りではなく、全てのセグメントが数年前の実績を下回っている。業界はバリューチェーン全体に関わる人々の安全を確保しながら、生産台数の最大化と供給上の制約の影響を最小にとどめるべく尽力している」と述べた。

12月単月のメーカー別販売をみると(添付資料表2参照)、首位のマルチ・スズキは前年同月比12.6%減の12万3,016台で、シェアは56.0%だった。韓国の現代は31.8%減の3万2,312台(シェア14.7%)、起亜自動車は34.0%減の7,797台(同3.5%)、地場のマヒンドラ&マヒンドラは9.5%増の1万7,722台(同8.0%)を販売した。ほかの日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが44.7%増の1万833台(同4.9%)、日産が2.6倍の3,010台(同1.3%)と前年同月比で販売台数を伸ばした。

車種別の販売台数上位は、12月の数字でみると、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」「セレリオ」など計6万9,345台)、同ミニモデル(「アルト」「エスプレッソ」計1万6,320台)、現代のコンパクトモデル(「オーラ」「i20」「i10」など計1万2,314台)だった。

多目的車(UV)では、スズキ(「エルティガ」「エスクロス」計1万3,361台)、マヒンドラ&マヒンドラ(「ボレロ」など計1万1,712台)、現代(「ベニュー」1万360台)が売れ筋となった。UVの2021年1~12月の販売台数は前年比58.2%増と大きな伸びを見せており、同タイプの人気が高い様子がうかがえる。

12月単月の二輪車販売は100万6,062台で、前年同月比10.8%の減少となった(添付資料表1、3参照)。主要部門のオートバイは2.4%減の72万6,587台、スクーターは24.0%減の24万6,080台だった。三輪車販売は、12月単月では25.1%増の2万8,111台だったが、2021年通年の販売は0.3%増の26万3,373台にとどまっている。商用車は12月単月のデータは発表されていないが、通年の販売は前年比34.1%増の67万7,119台だった。SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「大型商用車のみが過去2年の年度第3四半期(10~12月)の実績を上回ったが、バスの販売は低迷している」とプレスリリースでコメントした。

乗用車、二輪車、三輪車の12月単月の販売台数は、前年同月比10.7%減の125万3,604台だった。2021年通年は前年比5.8%増の1,849万2,506台だった。

(倉谷咲輝)

(インド)

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