新型コロナワクチンパスを1月24日から施行、2月から規制緩和へ

(フランス)

パリ発

2022年01月24日

フランスの憲法評議会は1月21日、16日に成立した新型コロナウイルスのワクチンパス導入に関わる法律外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて、一部の条文を除いて合憲とする判断を示した。これにより、ワクチン接種を実質的に義務化するワクチンパスが1月24日から施行され、16歳以上で接種を完了していない者はバー・レストラン、文化・娯楽施設(映画館、美術館、スタジアムなど)、地域間の長距離公共旅客輸送サービスなどを利用できなくなる。12歳から15歳については引き続き衛生パスを適用し、24時間以内の抗原検査またはPCR検査の陰性証明書があれば、これらのサービス利用を認める。

同法には罰則規定もあり、他者のパスを提示した者や、パスを第三者に提供した者、パスのチェックを怠った事業者に、1,000ユーロの罰金を科す。偽造パスについては、3年の禁錮刑に加えて4万5,000ユーロの罰金を科す。ただし、30日以内にワクチンを接種した場合、罰則は適用しない。また、企業向け衛生プロトコル(在宅勤務など)を順守しない企業にも、従業員1人当たり500ユーロ(上限5万ユーロ)の罰金を科す。

これとは別に政府は、1月15日から18歳以上の成人に対して2回目接種から7カ月以内に追加接種を完了しない場合、ワクチンパスは自動的に失効するとした。2月15日から接種間隔は7カ月以内から4カ月以内に短縮する。

ワクチンパスの導入に先立ち、ジャン・カステックス首相は1月20日に記者会見を開き外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、新型コロナウイルス対策の制限措置を2月中に段階的に緩和すると発表した。2月2日から、屋外でのマスク着用義務や、着席型のイベント会場(スタジアム、文化施設など)の人数制限を解除する。また、週3日(可能な場合4日)の在宅勤務については、引き続き推奨するが、義務ではなくなる。2月16日からは、ナイトクラブの再開や起立型のコンサートの開催なども認める。

公衆衛生局によると、1日当たりの新規感染者数は1月18日に46万4,769万人と過去最多を記録した後、3日連続で40万人を超えた。オミクロン株の疑いがある感染者の割合は20日現在で98.02%だった。カステックス首相はオミクロン株について「感染力が強く危険だが、デルタ株ほど症状は深刻ではない」と述べた。

(山崎あき)

(フランス)

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