2021年の乗用車生産は前年比4.1%減、EVの割合は11%に

(チェコ)

プラハ発

2022年01月24日

チェコ自動車工業会の1月18日付発表によると、2021年の国内乗用車生産台数は、半導体の不足やサプライチェーンとロジスティクスの混乱により、110万5,223台にとどまった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により前年比19.2%減少した2020年の実績をさらに4.1%下回った。

同工業会のズデニェック・ペツル理事によると、半導体部品不足のため、2021年のチェコ国内の製造台数は30万台減少したと見積もられている。半導体不足の状況は2021年第3四半期(7~9月)にピークを迎えた。そのため、乗用車生産台数は特にこの時期に大きく落ち込んだ(添付資料図参照)。

2022年も、依然として半導体チップやその他部品の調達に関して不透明な状況が続くが、生産台数は再び上昇傾向に転じ得るとペツル理事は予想している。

2021年の実績をメーカー別にみると、最大メーカーのシュコダ・オート〔フォルクスワーゲン(VW)グループ〕の生産台数は68万287台で、前年比9.2%減少した(添付資料表参照)。また、2021年1月にトヨタの欧州統括会社トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME、本社:ブリュッセル)の完全子会社となったトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)は14万9,936台で、8.9%減となっている。同社は2021年11月、新たにBセグメントのコンパクトカー「ヤリス」の生産開始を発表した。ガソリンモデルに加え、ハイブリッドモデルも生産する(2021年11月12日記事参照)。一方、現代チェコは前年比15.2%増の27万5,000台で、国内3メーカーの中で唯一増加した。同社はこれに関して3日付の発表で、情勢の激動や個々の部品の供給状況に柔軟に対応し、在庫を増強、サプライチェーンの拡大を行うなどの取り組みにより、生産停止あるいは製造シフト制限といった対策が不要だったためと説明している。

一方、国内の電気自動車(EV)製造状況をみると、2021年のバッテリー電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を合わせた生産台数は12万1,262台で、全生産台数の約11%を占めた。うち、BEVは7万2,169台(シュコダ4万9,701台、現代2万2,468台)、PHEVは4万9,093台(シュコダ2万7,919台、現代2万1,174台)だった。

ペツル理事は、EVの割合が11%に達した事実は、クリーンモビリティー、あるいは持続的生産といった自動車業界の構造改革に向けて、チェコで準備が整いつつあることを証明するものとして、肯定的に評価している。「インフラ投資など、チェコ国内でクリーンモビリティー支援が拡大されつつあることは望ましい。ただし、産業の近代化や、製造の脱石炭化に向けた投資など、国と協力して進めていくべき課題は山積だ。さらに、チェコ経済が産業の要求によりよく適応することで、経済的潜在力の低下を防ぐことができるよう、研究・教育の支援も強化していかなければならない」と主張している。

(中川圭子)

(チェコ)

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