米CDC、無症状の新型コロナ感染者の自己隔離推奨期間を10日から5日間に半減

(米国)

ニューヨーク発

2022年01月04日

米国疾病予防管理センター(CDC)は2021年12月27日、無症状の新型コロナウイルス感染者に対する自己隔離の推奨日数を、現行の10日から5日間に短縮すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。なお、5日間への短縮は、自己隔離終了の翌日から5日間、人がいる場所ではマスクを着用し続けることが条件となっている。

また、濃厚接触者に関しては、(1)ワクチン未接種の者、(2)mRNA型ワクチンの接種完了(注)から6カ月以上経過し、追加接種(ブースターショット)未接種の者、(3)ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンの接種から2カ月以上が経過し、追加接種未接種の者に対して、5日間の自己隔離と自己隔離終了の翌日から5日間のマスク着用が推奨されている。ただし、5日間の自己隔離が不可能な場合には、新型コロナウイルス感染者と接触があった日の翌日から10日間、周囲に人がいる際にはフィット性の高いマスクを着用することが必須になる。なお、追加接種が完了している濃厚接触者は自己隔離の必要はないが、10日間はマスクを着用することが勧められている。上記いずれの場合も、濃厚接触から5日後に感染検査を受けることが最善で、症状が出た場合にはすぐに自己隔離し、検査で陰性が確認されるまで隔離を続けるべきだとしている。

CDCは、今回の自己隔離期間短縮について、新型コロナウイルスは、症状が現れる1~2日前から、症状が現れ始めてから2~3日後までに最も他者に感染させやすいという科学的実証に基づいた判断だとした。

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は2021年12月27日、CNNニュースのインタビューで、「感染拡大を抑える方法の1つは感染検査を受けることだが、米国内ではまだ全国民に均一に行き届くほど利用可能にはなっていない。これは、1月以降大きく改善していく見込みだ」とした上で、今回の発表について、「自己隔離期間を半減することについては、私も一緒になって議論してきたことで、今回のCDCの判断は社会を円滑に稼働させるためには良識的で優れた決断だ」と述べた。

(注)ファイザー・ビオンテック製またはモデルナ製ワクチンで、2度の接種を完了。

(吉田奈津絵)

(米国)

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