トカエフ大統領、経済社会再構築に向けた動きを国内外にアピール
(カザフスタン)
タシケント発
2022年01月31日
カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領とアリハン・スマイロフ首相は1月21日、国内の有力資本家を集め、政府とビジネス界の協調による経済社会改革の必要性を訴えた(大統領府公式ウェブサイト1月21日)。
トカエフ大統領は1月11日の下院議会での演説(2022年1月12日記事参照)で触れたように、貧富の格差が社会不安を引き起こしていることに言及する一方で、富裕層を「民族資本家」と位置づけ、政府が私有財産の不可侵を約束する代わりに、資本家は社会的、政治的責任を果たし、国内への再投資を積極的に行うことで経済社会改革に協力するよう要請した。
同時に、ビジネス投資環境の健全化を図るために、a.投資家・企業家の利益を保護する司法制度改革、b.オフショア企業への資本流出を防ぎ、国内への資本還元を促す施策の強化、c.私的独占への規制強化と公正な競争の確保、d.大企業の租税回避防止に向けた税制改革、e.入札談合の防止による公共調達の健全化、f.経済への国家の参加を減らし、国有企業を根本的に改革、g.政府機関と企業間の対話を通じた行政上の障壁の除去など、政府が取り組む政策について説明した。
トカエフ大統領の要請に応え、社会基金「カザフスタン・ハルクィナ(カザフスタン国民のために)」に寄付する富裕層や法人も現れ、1月17日までに120億テンゲ(約32億4,000万円、1テンゲ=約0.27円)の資金が集まっている(テングリ・ニュース1月17日)。
トカエフ大統領は外国投資の誘致も呼びかけている。1月24日に首都ヌルスルタン市で行われたロシアのタタルスタン共和国代表団との会合で、同大統領は「投資家が必要とする全ての条件を整える」と強調した(大統領府公式ウェブサイト1月24日)。また、翌25日に行われた中国との外交関係樹立30周年記念のオンラインサミットでも、「現在、カザフスタン政府は外国投資家にとって有利な条件となる新しい投資政策を検討している」と述べた(クルシブ1月25日)。燃料価格値上げに端を発する政府への抗議デモを収束させたトカエフ大統領は、経済社会再構築に向けた動きを国内外にアピールしている。
(増島繁延)
(カザフスタン)
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