2021年の新車販売台数は前年比4.3%増

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2022年01月25日

2021年のロシアの新車市場が2年ぶりにプラス成長となった。在ロシア欧州ビジネス協会(AEB)の発表(1月13日)によると、新車乗用車と小型商用車の販売台数は前年比4.3%増(166万6,780台)となった。2019年の2.3%減、2020年の9.1%減と2年連続で縮小していたが、プラスに転じた(添付資料図参照)。

ただ、自動車市場の本格的な回復には時間を要する見込みだ。2021年上半期は前年の急激な落ち込みの反動により、前年同期比36.9%増と急激な回復を見せたものの、下半期に入ってから低迷している。特に8月から年末にかけて5カ月連続で前年同月比マイナス20%近くの落ち込みが続いている。AEBは、2022年のロシアの新車販売台数について、前年比3.3%増の172万2,000台にとどまると予測している。

販売不振の主な背景として、世界的な半導体不足や「新型コロナ禍」で物流の混乱などによる新車供給態勢の逼迫がある。ロシア自動車ディーラー協会のビャチェスラフ・ズバレフ会長は低迷の理由として、「市場に自動車が不足しているためということは明らかだ」とした上で、需給のギャップから販売価格が急上昇していると指摘。消費者の需要そのものは健在としている(「アフトスタト」2021年10月13日)。

なお、ブランド別販売台数では、地場乗用車最大手アフトワズのラダが35万714台と首位を維持、起亜(20万5,801台)と現代(16万7,331台)が続いた(添付資料表参照)。中国車は引き続き好調で、長城汽車のハバルは前年比2.3倍(3万9,126台)、奇瑞汽車(チェリー)は3.2倍(3万7,118台)となった。

(島田憲成)

(ロシア)

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