ハイテク技術見本市「CES 2022」、自国・地域のスタートアップやビジネス環境の魅力を紹介

(米国)

ニューヨーク発

2022年01月14日

米国最大のハイテク技術見本市である「CES 2022」が1月3~7日、ネバダ州ラスベガスにて開催された(3~4日はメディア向け、2022年1月7日記事参照)。CESは1967年から毎年開催されており、かつては家電が中心だったが、近年はモビリティーや人工知能(AI)といったさまざまな革新的な製品・技術が集まる場として注目を集めており、スタートアップも数多く参加している(2022年1月14日記事参照)。2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンラインでの開催だったが、今回新型コロナウイルス対策を徹底した上で、対面とオンラインの併設開催となった。

会場は3つに分けられ(全て合わせると東京ドーム約50個分相当)、有名自動車メーカーや大手家電メーカーなどは大きなブースを組んで自社製品の技術などを発表しており、人だかりもみられるなど活況だった。一方、アマゾンなどの大企業が直前になって出展見合わせが相次ぎ、それらの企業のスペースとみられる空間がぽっかり空いているなど、全体としては新型コロナ前に比べ来場者はまばらな状況だった。

写真 出展キャンセル企業のサイトとみられるスペース、こうしたスペースが点在していた(ジェトロ撮影)

出展キャンセル企業のサイトとみられるスペース、こうしたスペースが点在していた(ジェトロ撮影)

各国・地域それぞれの立場からスタートアップの重要性を強調

企業経営者や投資家などがテーマに沿って対談を行うセッションも多数開催された。オンライン開催が中心だったが、オンサイトでも多く開催された。スタートアップ関係では、「グローバルな観点から見たスタートアップへの投資の在り方」をテーマに、英国、フランス、EU、スイスそれぞれのスタートアップ推進担当者が、自国・地域のスタートアップやビジネス環境の魅力を紹介した。また、「全ての人のためのイノベーションへの投資」をテーマにしたセッションでは、米国中小企業庁の担当者などが米国でのスタートアップの重要性を強調した。特に、中小企業庁のナタリー・コーフィルド氏は「米国経済を支援しイノベーションの最前線に立つことができるチャンスがある。最近可決されたインフラ投資雇用法でも、インフラや交通、太陽光発電、気候(に関する問題)などに数十億ドルもの資金を提供することができる。変革やチャンスは無限にある。連邦政府をパートナーとして見る限り、政府はあなた方を投資したいパートナーとして見ているからだ」と述べ、米国での起業を促した。

写真 「グローバルな視点で見たスタートアップへの投資の在り方」の様子。発言者以外は常にマスクを着用していた(ジェトロ撮影)

「グローバルな視点で見たスタートアップへの投資の在り方」の様子。発言者以外は常にマスクを着用していた(ジェトロ撮影)

写真 「全ての人のためのイノベーションへの投資」の様子。写真中央がコーフィルド氏(ジェトロ撮影)

「全ての人のためのイノベーションへの投資」の様子。写真中央がコーフィルド氏(ジェトロ撮影)

出展企業の減少といった課題も浮き彫りに

2年ぶりの対面開催を成功させたといえる今回のCESだったが、出展企業の減少など、「新型コロナ禍」における対面での大規模イベント開催に特有の難しさも浮き彫りになった。前述のとおり、訪問者には常時マスク着用が義務付けられ、皆順守しているように見受けられた。しかし、スタートアップのブースの中には、開催2日目にしてブースを片付けた企業も複数あり、それらの企業については、関係者が新型コロナウイルスに罹患(りかん)したようだとの声も聞かれた。対面でのプレゼンで接触サービスを提供する企業が多かったことから、それらを通じて感染が拡大した可能性もある。入場者向けの消毒液は会場入り口に配置されていたが、消毒に関する規定は見受けられず、消毒液を利用する人はまばらだった。オンサイトでのセッションの中にも、キャンセルとなったことを会場で知るというケースが何度か発生していた。オンサイト会場は天井が高いなど比較的広い会場が多かったが、人気のあるセッションの中には人が密集している状況も見受けられた。

写真 混み合うセッションの様子。後ろにも立ち見ができるほど人気のセッションでは人が集まっていた(ジェトロ撮影)

混み合うセッションの様子。後ろにも立ち見ができるほど人気のセッションでは人が集まっていた(ジェトロ撮影)

開催期間中の新型コロナウイルス感染者数に関する、主催者からの発表はされていないが、2023年の出展企業を増やすためにも、主催者は今後、さらに厳しい感染対策を企業や来場者に求めるかもしれない。

(宮野慶太)

(米国)

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