萩生田経済産業相、「アジア未来投資イニシアティブ」を発表

(アジア、ASEAN)

アジア大洋州課

2022年01月24日

インドネシア外交政策コミュニティ(FPCI)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)、日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)、および経済産業省の共催によるオンラインイベントが1月10日に開催された。同イベントにおいて、萩生田光一経済産業相は、ポストコロナを見据えたアジアでの経済協力の方向性を示す新たなイニシアティブとして、「アジア未来投資イニシアティブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。2021年5月に、日本が発表した「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」との両輪で、日本は地域の未来への投資に取り組む。

「アジア未来投資イニシアティブ」は、デジタル化の進展などの「イノベーション」の加速、および気候変動問題や都市化の進展に伴う交通インフラなどの諸課題を含む都市や地方における「サステナビリティ」の重要性の顕在化といった、ASEAN地域における変化を踏まえ、未来志向の新たな投資(未来投資)を積極的に推進することに主眼を置く。具体的には、(1)グローバル・サプライチェーンのハブとしての地域の魅力向上、(2)持続可能性を高め、社会課題の解決に資するイノベーションの創出、といった未来像の実現に向けて、サプライチェーン、連結性、デジタル・イノベーション、そして人材への投資を強化する。

これまでの未来投資・共創の事例として、(1)については、日系スタートアップによる自動運転システムの開発を担える現地IT人材の育成、日本企業による貿易書類の電子化やブロックチェーン技術を活用した貿易プラットフォームの構築を通じた貿易拡大を目的とする実証事例がある。(2)については、日系商社による病院の枠を超えた医療データの統合を通じた社会課題解決のビジネス創出や、日系電子部品企業と現地企業の連携からデータ解析によって、深刻な交通渋滞を解決し、持続可能で住みやすい社会構築を目指す事業事例がある。

(新田浩之)

(アジア、ASEAN)

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