新型コロナ警戒レベル1のまま制限一部緩和、欧米で南アへの渡航制限解除の動きも

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2022年01月11日

南アフリカ共和国政府は12月30日に臨時閣議を開き、減少傾向にある新型コロナウイルス新規感染者数やワクチン接種率、医療提供体制の現状に基づいて、「調整された警戒レベル1」の制限内容を一部緩和した。

制限緩和の主な内容は、以下のとおり(詳細は官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に掲載)。

  • 夜間外出禁止令を撤廃(これまでは午前0時~午前4時)
  • 屋内では最大1,000人までの集会を許可(これまでは屋内上限750人、屋外上限2,000人は変更なし)
  • 午後11時以降の営業ライセンスを持つレストランやバーの営業を許可
  • 酒類提供時間の制限を撤廃(これまでは午後11時まで)

なお、政府は引き続き、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、アルコール消毒の徹底などを求めている。

また、南ア保健省は12月23日に濃厚接触者の追跡の停止と検疫・隔離に関する緩和(無症状者はPCR検査不要、隔離不要など)について通達を出していたが、メディアや一般市民から質問やコメントが殺到し、28日に実施を保留にしていた。

インベステック銀行エコノミストのアナベル・ビショップ氏は、2022年の南アの経済成長率を2.0%と予測した。同氏は、各国の水際対策の強化で観光業界への被害は大きかったものの、全体的に見たオミクロン型変異株によるビジネス環境や経済への影響は、比較的軽微だったとした。

一方、幾つかの欧米諸国は南アからの渡航制限の解除を発表している。1月6日にはフランスが南アをレッドリストから外したほか、英国、米国、ドイツ、オランダも既に制限を解除している。カタール航空は1月13日からフライトを再開すると発表しているが、カタール公衆衛生省は南アをレッドリスト国に分類している。乗り継ぎ以外の渡航者は隔離対象となっているので注意が必要だ。

写真 ヨハネスブルク中心街にあるショッピングモール(1月6日、ジェトロ撮影)

ヨハネスブルク中心街にあるショッピングモール(1月6日、ジェトロ撮影)

写真 モールの各ショップの入り口に消毒用アルコールを設置(1月6日、ジェトロ撮影)

モールの各ショップの入り口に消毒用アルコールを設置(1月6日、ジェトロ撮影)

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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