湖北省政府、来訪者への新型コロナ防疫措置を厳格化

(中国)

武漢発

2022年01月20日

中国の湖北省疾病予防コントロールセンターは1月12日、「2022年春節とその前後の湖北省の重点グループに対する新型コロナウイルスPCR検査措置に関する健康注意事項外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。この注意事項は1月末からの春節(旧正月)に伴う人流増加を見越して発表されたもので、湖北省外から同省への来訪者を対象に、来訪前後のPCR検査の実施や、来訪後の隔離措置などを定めている。

適用期間は3月15日までとしているが、省内外の感染状況によって変更の可能性もある。主な発表内容は以下のとおり。

(1)14日以内に域内感染が確認されていない省(直轄市・自治区)からの来訪者は、来訪前48時間以内のPCR検査陰性証明を所持するか、到着後24時間以内にPCR検査を行う。

(2)14日以内に陸上国境検問所(口岸)がある県(市・区)、または、域内感染が確認された省(直轄市・自治区)、湖北省疾病予防コントロールセンターが指定した地域(注1)からの来訪者は、14日間の集中隔離と14日間の自宅隔離が必要となる。

(3)域内感染が確認された省(直轄市・自治区)で、感染者が発生していない市区からの来訪者は、来訪前48時間以内のPCR検査陰性証明を所持した上で、到着後24時間以内にPCR検査を実施するほか、14日間の社区(注2)での健康観察を行う。健康観察期間中は、7日に1回PCR検査を行う。

そのほか、同センターは「双節(元日から春節)」期間に、市民に不要不急の省外への渡航自粛や、家族で過ごす際もできる限り10人以下であるよう呼びかけている。

なお、1月17日時点では、湖北省全域が低リスク地域に指定されているため、省内の移動に際してのPCR検査は必要ない。

湖北省への出張は防疫措置への対応必要

湖北省衛生健康委員会の発表によると、同省では2021年9月以降、新規感染者と死亡者ともに確認されていない(1月17日時点)。しかし、省内では上述の厳格な防疫措置を取っているため、日系企業からも「湖北省への出張をキャンセルせざるを得なくなった」という声が多く聞かれている。同省への出張に当たっては、防疫措置を前提としたスケジュールの作成や、PCR検査などの対応が必要だ。

(注1)湖北省防疫指揮部が指定する地区や具体的な措置は湖北省疾病予防コントロールセンター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトを参照。同センターは中国での新型コロナウイルス感染再拡大を受け、市民に対し、感染確認地域に旅行歴があれば社区に健康報告を行うよう呼び掛けている。

(注2)中国民政部は「一定地域の範囲内に住む人々によって構成される社会生活の共同体」と定義。都市部の最も基礎的な行政区画単位。

(楢橋広基)

(中国)

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