バイデン大統領への支持率低下不満拡大、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年01月27日

米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは1月25日、ジョー・バイデン大統領の支持率などに関する世論調査の結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。その結果から、バイデン大統領に関し、民主党支持者からの不満の声が大きくなっている一方、共和党も自党支持者の支持を伸ばせていない様子が読み取れる。

本世論調査によると、バイデン大統領の支持率は41%で、不支持率は56%となった。就任後間もなく行われた2021年3月の世論調査では、支持率が54%、不支持率が42%だったため、過去10カ月間で支持率が13ポイント低下し、不支持率が14ポイント上昇した。

重要課題に対するバイデン大統領の対応力に関し、いずれも「信頼できない」と回答した人のほうが多かった。新型コロナウイルス対策に関し、信頼できると回答した人の割合は44%、経済政策については同じく44%、国際危機については43%などとなっており、国内の結束については30%だった。中でも経済政策については、89%が食料品および消費財の価格が1年前よりも悪化したと答え、82%はガス価格、79%は住居費が上昇したと答えていることから、人々が現在の経済状況に不満を抱えていることが見て取れる。

共和党支持者だけでなく、民主党支持者からも、不満の声が大きくなっている。国家の現状に満足しているかとの問いに対し、「満足」と回答した民主党支持者は29%にとどまり、2021年3月の47%から18ポイント低下した。バイデン大統領の支持率は民主党支持者に限れば76%だが、穏健派とリベラル派ともに支持している人の割合は減少しており、穏健派の中での支持率は65%(2021年9月:71%)、リベラル派の中での支持率は72%(80%)となっている。

民主党リベラル派により顕著な現政権への不満

民主党の穏健派(54%)とリベラル派(51%)の過半数は、バイデン大統領がどちらの意見にも公平に耳を傾けていると感じている一方、リベラル派の39%は、同大統領が穏健派の意見により耳を傾けていると感じており、28%はもっとリベラル派の声を聞くべきと回答している(もっと穏健派の声を聞くべきという穏健派は9%)ことから、民主党支持者の一部は、バイデン大統領の党内配慮に疑問を感じている状態だ。

他方、共和党も支持を伸ばせていない。共和党を好意的に捉えている人は全体の35%で、民主党の43%よりも低いことに加え、2021年8月(41%)よりも6ポイント低下している。共和党支持者に限ってみても、好意的に捉えている人は67%で、2021年8月の80%から大幅に低下しており、両党ともに支持離れが進んでいる状況になっている。

(注)調査の実施時期は2022年1月10~17日。回答者は米国の成人5,128人。

(片岡一生)

(米国)

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