トカエフ大統領、新閣僚人事を承認

(カザフスタン)

タシケント発

2022年01月14日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は1月11日、「新内閣の組閣に関する大統領令」に署名した(大統領府公式ウェブサイト1月11日)。

アリハン・スマイロフ新首相が率いる新内閣では、保健相、産業・インフラ発展相、情報・社会発展相、文化スポーツ相、国民経済相、エネルギー相、法相の7閣僚が新任で、残りは留任となった(添付資料表参照)。新任のうち4人は副大臣からの昇格人事だった。

一方、エネルギー相には、国有企業の大部分を所有する政府系基金サムルク・カズィナ役員のボラト・アクチュラコフ氏を、法相には最高裁判所裁判官で、下院議員歴もあるカナト・ムシン氏を抜てきした。国有企業の改革、法整備の推進強化が狙いとみられる。

新内閣は1月12日、トカエフ大統領の掲げた社会経済の抜本的制度改革(2022年1月12日記事参照)実現に向けオンライン閣僚会議を開催した。スマイロフ内閣は、トカエフ大統領が提示した優先的課題解決のための行動計画を1月末までに準備するよう指示を受けている。これらの制度改革の多くは、トカエフ大統領が就任以来取り組んできたものだが、様々な抵抗勢力による妨害で未達成に終わっていた。トカエフ大統領が権力をほぼ掌握した今、改革を断行できるか新政府の真価が問われる。

スマイロフ新首相は1月11日、ロシアのミハイル・ミシュスチン首相、ウズベキスタンのアブドゥラ・アリポフ首相らとオンライン会談を実施し、新内閣下での近隣関係国との交流を再開している。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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