国内でのオミクロン感染確認、ワクチン証明提示義務化で接種促進を図る

(ボリビア)

リマ発

2022年01月12日

ボリビア保健スポーツ省(MSyD)は1月10日の同省プレスリリースで、2022年第1週(1月第1週)における感染者数が前週比77%増で過去最多の6万801人を記録し、感染拡大の第4波で感染者数が急激に増加していることを発表した。また、オミクロン株感染が既に国内で確認されていることも認めた。ジェイソン・アウサ保健スポーツ相は、オミクロン株が国内で発生しているものの、依然として主要な変異株はデルタ株だと説明している。

新規感染者の地域別の内訳では、サンタクルス県が3万6,129人で全体の59.4%と最も多く、次いでコチャバンバ県6,492人(10.7%)、タリハ県4,573人(7.5%)、チュキサカ県4,403人(7.2%)、ラパス県3,449人(5.7%)、オルーロ県2,201人(3.6%)、ポトシ県1,753人(2.9%)、ベニ県1,602人(2.6%)、パンド県199人(0.3%)となっている。一方で、死亡率は過去最低の0.6%で、アウサ保健スポーツ相はワクチン接種計画による効果を強調した。

ボリビアの新型コロナウイルスのワクチン総接種回数(注)は1月10日時点で1,069万4,226回に達しており、18歳以上の接種対象者のうち1回目接種者は521万8,708人、2回目は382万342人、3回目ブースター接種は66万2,471人、単発接種〔1回接種で済むジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ワクチン使用〕は99万2,705人に達している。MSyD発表のボリビア人口(1,184万1,955人)を基に、2回目接種完了者とJ&Jワクチン接種完了者数を合わせた数字から算出される同国の接種完了率は40.6%で依然として半数に満たない状況にある。

ワクチン接種促進を目的に、ボリビア政府は2021年12月22日に国内の公共施設、民間施設、宗教施設、ショッピングセンター、市場、スーパーマーケット、教育機関施設などの入場に際して、2022年1月1日からワクチン接種完了証明書の提示を求める大統領令第4640号、同証明書の交付を定めた大統領令第4641号を発令した。しかし、ワクチン接種会場での混乱を避けるため、1月26日まで導入を延期している。

(注)ボリビア全土におけるスプートニックV、アストラゼネカ、シノファーム、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンの1回目から3回目ならびに単発接種の合計。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

ビジネス短信 65df0d26303b7376