カザフスタンが非常事態宣言を解除、経済活動正常化へ

(カザフスタン)

タシケント発

2022年01月21日

カザフスタン西部ジャナオゼン市で1月2日に発生した抗議行動をきっかけに、1月5日からカザフスタン全土に出されていた非常事態宣言が1月19日に解除された。

暴動による被害が大きかったカザフスタン最大の都市アルマトイでも、夜間の外出禁止令が解かれ、公共交通機関も通常運行に戻りつつある。1月19日には、治安維持活動のため駐留していた集団安全保障条約機構(CSTO)の部隊は完全に撤収し(カズインフォルム1月19日)、派遣軍のベースキャンプがあったアルマトイ空港のオペレーションも回復している。破壊、略奪を受けた店舗なども、急ピッチで修復作業が行われている。

テロ警戒レベルは依然として最大警戒を意味する「赤」で、完全武装の警察や軍による市内パトロールが行われている。アルマトイ市の住民によると、集会場となるような場所への市民の立ち入りや空港前駐車場への一般車両の進入などは制限されている。

物流も平常化に向かっている。ウズベキスタンの首都タシケントに駐在するカザフスタン鉄道の代表は1月15日、ジェトロのヒアリングに対し「カザフスタンと中国の国境にあるホルゴスでの鉄道輸送は完全に復旧している」と回答。在アルマトイの地元物流企業クルーズ・ロジスティクスは「ホルゴスでのトラック物流は、抗議活動以前から中国側の新型コロナウイルスへの防疫強化で、特に中国からカザフスタン向けの通関の遅れが深刻化している。1日にトラック5~10台程度しか国境を通過できず、国境沿いではトラックの大渋滞が発生している。現在、通過に2カ月はかかる」と述べ、今回の抗議活動はトラック物流に直接の影響は与えていないとの認識を示している。

(増島繁延、高橋淳)

(カザフスタン)

ビジネス短信 58bd7989e4f105e3