新規感染者が9万人超で過去最多、入国後の検査など新たな条件を追加

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年01月07日

アルゼンチン政府は12月30日、新型コロナウイルス感染が急拡大したこと、特にオミクロン型変異株による感染リスクが高いことを受けて、入国に関する水際措置を追加した。同日付で公布した行政決議第1316/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、6歳以上のアルゼンチン居住者および非居住者の外国人は、入国後3日目から5日目にかけて新型コロナウイルス感染症に関する検査を受けることとし、入国時から検査を受けるまでの間は、屋内での集会には参加してはならない。

現行の主な入国条件は以下のとおり。

  • オンラインでの宣誓供述(DDJJ)の提出。
  • 出国前72時間以内に検査を受け陰性証明書を提出すること。入国前90日以内に感染した場合は医療機関が発行した回復証明書の提出。
  • 入国14日前までに2度のワクチン接種を完了していること。完了していない場合は、例外と認める書類を提示。
  • 非居住者外国人の場合は、新型コロナ対応の医療保険への加入。
  • 上記は、全ての入国経路(空路、陸路、水路)が対象で、また、交通機関の運営会社側は搭乗や乗車前にこれら証明書の提出を求めることができる。

1月5日時点の保健省報告によると、全国の1日当たりの新規感染者数は9万5,159人。1週間前と比較すると倍増しており、過去最多を記録した。2021年12月下旬に同省が実施した分析によれば、全国の感染者の約85%はデルタ株、14%はオミクロン株であることが判明した。他方、ブエノスアイレス州ではオミクロン株が既に全体の65%を占めていると報告された。保健省関係者は、感染急増の原因は、オミクロン株の市中感染の発生と、年末年始およびバケーションシーズンによる集会や人の移動によるもので、今後もさらに増加する傾向にあるとしている。なお、「直近では、厳格な行動制限措置などの導入は考えていない」と発言している。

1月4日時点で、人口の72.1%が2度のワクチン接種を完了しており、政府は今後もワクチン接種を積極的に促していく方針だ。その一環として、強制隔離が必要な場合、ワクチン接種者の隔離期間を短縮するなど、未接種者と以下のとおり区別している。

  • ワクチン接種者で陽性が確認された場合、7日間の隔離。無症状の濃厚接触者の場合は、5日間。
  • ワクチン未接種で陽性が確認された場合、10日間の隔離。無症状の濃厚接触者の場合は、7日目に検査を受けるか、10日間の隔離を実施。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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