WILLER、オンデマンド型バスシェアをシンガポールで本格始動、国内外で展開拡大

(シンガポール)

シンガポール発

2022年01月17日

大手高速バス運行会社のWILLER(ウィラー、本社:大阪)は1月13日、シンガポールの都心部でオンデマンド型の定額乗り放題のシェアリングサービス「mobi(モビ)」を本格的に開始した。同社は2021年10月29日から試験的にシンガポールで同サービスを開始しており、11月からはベトナムのハノイで実証実験を始め、今後シンガポール国内や海外の他の都市でもサービスを拡大していく方針だ。

WILLERのシンガポール子会社WILLERS(ウィラーズ)は現在、主に在留邦人を対象に、都心部オーチャード周辺の日本人が多く住む地区で同シェアリングサービスを提供している。同サービスの利用は月定額制で、利用者が専用のアプリを通じて呼び出すと、平均10~15分で車両が到着するというもの。村瀬茂高社長はサービス開始の報道発表で、「mobiは半径約2キロ圏内の住民向けに提供するシンプルで使いやすいラストマイルの移動サービスで、歩くには遠すぎるし、タクシーやライドシェアでは経済的ではない距離を移動するためのニッチ・ソリューションだ」と指摘。「短距離の移動においては、自家用車を使用しなくても済み、特に高齢者や幼い子供向けに移動手段を増やすことで、スマートで環境に優しい都会生活を推進したい」と述べた。

写真 Mobi開始の式典で、WILLERの村瀬社長(左端)と山崎純大使(左から2人目)、SWATのアーサー・チュア会長(右から3人目)(WILLERS提供)

Mobi開始の式典で、WILLERの村瀬社長(左端)と山崎純大使(左から2人目)、SWATのアーサー・チュア会長(右から3人目)(WILLERS提供)

効率的にバスを配車するルートを割り出す人工知能(AI)を開発したのは、シンガポールを本社とするライドシェアリングのSWATモビリティ。SWATの共同創立者でCEO(最高経営責任者)のジェラルド・オン氏は同発表の中で、「持続可能な未来に貢献するというSWATのミッションの下、WILLERSと密接に協力して東南アジア地域の持続可能な輸送のためのオプションを提供したい」と抱負を語った。

同日のサービス開始の式典には、村瀬社長のほか、山崎純・駐シンガポール大使、SWATのアーサー・チュア会長ら関係者が出席した。

(本田智津絵)

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