東南アジアのユニコーン急増、2021年中に20社

(ASEAN、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール)

アジア大洋州課

2022年01月12日

スタートアップなどに関する情報発信を手掛ける米国のCBインサイツの資料(12月31日付)によると、企業評価額が10億ドル以上の未上場企業、いわゆるユニコーンの数は、東南アジアで25社に達した(添付資料表参照)。東南アジアのユニコーン数は、2021年1月26日時点の9社から約2.8倍になった。同年中に新たに20社がユニコーンとなる一方、4社が上場などによってリストから外れた。国別では、シンガポールが12社で全体の約半数となり、インドネシア(6社)が続いた。タイ、マレーシアでは、それぞれ初のユニコーンとして、フラッシュ・エクスプレス〔Flash Express、Eコマース(EC)配送〕とカーサム(Carsome、中古車のEC販売)が2021年中に登録された(「バンコク・ポスト」紙2021年6月1日、「ブルームバーグ」2021年7月13日)。

フィンテックや中古品のEC販売でユニコーン増加

業種別では、フィンテックが9社で最も多く、Eコマース(4社)、サプライチェーン・物流・配送(3社)、インターネットソフトウエア・サービス(3社)、人工知能(AI、2社)と続いた。最も数が多いフィンテックでは、同資料に登録されている9社のうち、2019年に登録されたインドネシアのオボ(OVO)を除く8社が、2021年中にユニコーンとなった。このうち評価額が大きいのは、電子決済サービスを手掛けるベトナムのモモ(MOMO、同22億7,000万ドル)やフィリピンのミント(Mynt、同20億ドル)だ。2番目に数が多いECでは、中古車販売を手掛けるカーサム(同13億ドル)やカーロ(Carro、シンガポール、同10億ドル)、中古品販売のカルーセル(Carousell、シンガポール、同10億ドル)などが2021年中にユニコーンとなった。

これまでユニコーンとされていたグラブ(Grab、シンガポール)やゴジェック(Gojek、インドネシア)など4社は、2021年中に同リストから外れた。グラブは12月に米国で上場(IPO)し、既に公開会社となっている(「ロイター通信」2021年12月2日)。ゴジェックは5月、同じくユニコーンだったインドネシアのEC最大手のトコペディア(Tokopedia)と合併してGoToグループと社名を変更した。同社は2022年にインドネシアでIPOする見込みであることが報じられている(「テンポ」2021年12月21日)。同国のEC大手ブカラパック(Bukalapak)は8月にインドネシアでIPO済みだ(「ロイター通信」2021年8月6日)。

2021年末時点で、東南アジアのユニコーンの中で、評価額が最も大きいのはインドネシアのJ&T エクスプレス(物流、2021年4月登録)で200億ドルだった。同社は2015年、中国の通信機器大手「OPPO」のインドネシア拠点の幹部が独立して立ち上げたEC物流会社で、国内EC市場の拡大とともに急成長した。2017年からベトナム、マレーシアなど周辺国に進出し、2020年には中国にも進出している。同社は2022年中に香港で上場する予定と報じられている(「コンパス」2021年4月15日、「ロイター通信」2021年11月24日)。

(山城武伸)

(ASEAN、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール)

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