デジタル人民元アプリ、アプリストアで提供開始

(中国)

北京発

2022年01月14日

主要アプリストア上での、中国・デジタル人民元アプリ(パイロット版)の提供が1月4日に開始された。これまで、実証実験のためのテスト版アプリが招待制で提供されていたが、今後は、以下の対象地域に所在し、条件を満たすユーザーは、誰でもデジタル人民元アプリの利用が可能となる。

対象となる地域は、広東省深セン市、江蘇省蘇州市、河北省雄安新区、四川省成都市、上海市、海南省、湖南省長沙市、陝西省西安市、山東省青島市、遼寧省大連市、北京市、河北省張家口市の冬季オリンピック会場などの一部地域となっている。

パイロット版では、NFC(近距離無線通信)機能を利用した端末同士での支払い機能が搭載されたほか、サブウォレット(子銭包)を特定の支払い先にひもづけることで、EC(電子商取引)サイトでの支払い時などにパスワードなしでの支払いも可能となった。ファーウェイの運営するアプリストアでは、1月9日時点でのダウンロード数が580万回に達した、と報じられている(「快科技」2022年1月10日)。

登録方法で4種類に分類

アプリでの支払いに使用するデジタル人民元ウォレットは、認可を受けた商業銀行などにより運営されており、登録する個人情報などに応じて4種類に分類されている。携帯電話番号だけで登録できる4類は、預入額上限が1万元(約18万円、1元=約18円)、1回の支払額上限が2,000元となる。無制限に使用できる1類は、携帯電話番号、身分証明書、銀行口座情報、運営機関窓口での面談・サインが必要とされている(「南方網」2022年1月6日)。

デジタル人民元ウォレットの個人ユーザー登録数は、2021年10月時点で1億4,000万件に達したと報じられている(「中国経済網」2021年11月16日)。

(河野円洋)

(中国)

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