バイデン米大統領就任1年、不支持が支持を逆転、各種世論調査

(米国)

米州課

2022年01月20日

米国のジョー・バイデン大統領が就任してから1月20日で1年を迎える中、さまざまな研究機関や世論調査会社がバイデン大統領の支持率調査の結果を発表している。これらの調査結果では、1年前は支持が不支持を上回っていたが、現在は状況が逆転しているという共通した傾向がみられる。

CBS ニュースと調査会社ユーガブが1月16日に発表した世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)では、支持44%、不支持56%となり、2021年2月から支持率は17ポイント低下した。調査会社ギャラップが1月18日に発表した世論調査結果でも、支持は40%と、2021年2月の57%から低下した。世論調査会社ラスムセン・レポートの調査も、2021年1月22日に48%だった支持率が今回の1月18日には41%となり外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、支持から不支持を引いた差は1年前のプラス3ポイントからマイナス17ポイントに悪化している。

CBSユーガブの調査では、ロナルド・レーガン大統領以降の歴代大統領7人の1期目就任から1年後の支持率を比較したところ、バイデン大統領の支持率(44%)は7人の中で2番目に低く、トランプ前大統領(37%)よりも高いが、レーガン元大統領(49%)には及ばなかった。

また、ギャラップの調査では、第2次世界大戦以降の歴代大統領の就任1期目の1年間の平均支持率を比較したところ、バイデン大統領の平均支持率は48.9%で、トランプ前大統領(38.4%)を10ポイント強上回ったものの、その他の歴代大統領(注2)よりも低くなっている。

求められるインフレ対応

バイデン大統領の支持率低下の要因は、経済状況の悪化にあるといわれるが、CBSユーガブの調査によると、経済状況悪化の原因として、インフレ(80%)、サプライチェーン問題(65%)、バイデン政権の政策(53%)、新型コロナウイルス感染拡大(53%)などが上位を占めた。これまでホワイトハウスの関係者は、2021年の景気回復に伴って、消費者物価の高騰はそれほど長くは続かないだろうと主張していたが(「ビジネスインサイダー」 1月17日)、実際のところ、2021年12月の物価は前年同月比で7%上昇しており、39年半ぶりの高い伸びを見せている(2022年1月13日付記事参照)。2022年11月の中間選挙に向けて、バイデン政権にとってインフレ対応が急務となっている。

(注1)調査実施は2022年1月12~14日。対象者は全米の成人2,094人。

(注2)バラク・オバマ元大統領57.2%、ジョージ・W・ブッシュ元大統領67.9%、ビル・クリントン元大統領49.3%。

(片岡一生)

(米国)

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