中国、ウクライナとの経済関係が緊密化、貿易は大きく増加

(中国、ウクライナ)

中国北アジア課

2022年01月31日

ウクライナ情勢の行方に世界的な関心が集まっているが、中国は、ウクライナとの経済関係を年々緊密化させてきた。

両国は1992年に国交を樹立。2001年には全面的な友好協力関係の樹立を、2011年には戦略的パートナーシップ関係の樹立を宣言するなど、協力関係を深化させてきた。国交樹立30周年の節目に当たる2022年1月には、習近平国家主席およびゼレンスキー大統領が祝電を交換。習国家主席は「国交樹立後の30年間、両国関係は一貫して健全かつ安定的な発展を保持してきた。政治的な相互信頼が深まっているほか、各分野の協力は実り多い成果を上げている。新型コロナウイルス感染症発生後も両国は連携して対応に当たってきた」と、30年を振り返った。

貿易は急拡大、ウクライナの風力発電プロジェクトが稼働

両国間の貿易を中国側統計でみると、2021年の中国の対ウクライナ輸出額は前年比36.8%増の94億1,063万ドル、輸入額は25.2%増の97億5,972万ドルといずれも20%を超える伸びを示し、輸出、輸入ともに過去最高となった(添付資料「表1 中国の対ウクライナ輸出額推移」、「表2 中国の対ウクライナ輸入額推移」参照)。2017年から2021年にかけての5年間では、輸出は1.9倍、輸入は4.2倍と大きく増加している。ウクライナ側の統計では、2020年において、輸出入とも中国が最大の相手国となっている。

両国の貿易関係は、垂直貿易的構造になっている。中国側の統計でみると、ウクライナ向け主要輸出品目は、玩具、携帯電話、パソコン、太陽光パネル・セルなど工業製品が上位になっている。2021年には、新型コロナワクチンなど人用ワクチンの輸出が急増した。対ウクライナ輸出額に占める上位10品目(HSコード4桁)の合計額の構成比は24.7%にとどまっており、多種多様な中国製品がウクライナ向けに輸出されている。

主要輸入品目をみると、鉄鉱石、トウモロコシ、植物油など、資源・穀物・油脂関係が上位になっている。対ウクライナ輸入額に占める上位10品目(HSコード4桁)の合計額の構成比は97.6%と、輸出とは異なり一部品目に輸入が集中している。

中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」は、2020年6月に中国・湖北省武漢市からウクライナの首都キエフ市向けの定期直通列車が、2021年9月にはキエフ市から陝西省西安市向け直通列車がそれぞれ運行を開始した。

両国は2021年6月、インフラ建設分野での協力の深化に関する協定を締結。両国企業・金融機関による道路、橋、鉄道などの分野での積極的な協力を推進することで合意した。

2020年における中国のウクライナへの直接投資額(フロー)は2,106万ドルとなっている。中国の範先栄・駐ウクライナ大使は「(国家能源集団傘下の風力発電企業の)龍源電力によるユージヌィ風力発電プロジェクトは2021年に完成し稼働を開始した。(ムィコラーイウ州に)建設中の風力発電所(2022年末稼働予定)は、中国企業のウクライナにおける最大規模の投資プロジェクトだ」としている(新華社2022年1月14日)。

(中井邦尚)

(中国、ウクライナ)

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