マイナビが地場クラウドソーシング運営企業を買収

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年12月28日

マイナビは12月13日、インドネシアのスタートアップで、クラウドソーシング(注)サイト「Sribu(スリブ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」や「Sribulancer(スリブランサー)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を運営するスリブ・デジタル・クリエティフ(以下、スリブ)を買収したと発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同社は、当地でIT人材紹介を行うスタートアップのエクルート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますへ出資を行うなど、積極的に投資活動を行っている(2020年2月25日記事参照)。

スリブは2012年の設立。同社がクラウドソーシングで提供するサービスは、企業のブランドロゴ、Eコマース用ウェブサイト、スマートフォン用アプリケーションの制作など幅広い。プラットフォームに登録されている累計フリーランサーは約55万人(2021年12月20日現在)で、現在までに同社のサービスを利用した企業は約5万社に上る。

活用できるフリーランサーは、同社が面談を行った上でプラットフォーム上に登録され、さらに過去の利用者のレビューや評価の閲覧も可能で、安心して利用できるプラットフォームとなっている。同社の最高経営責任者(CEO)のライアン・ゴンドクスモ氏はジェトロのヒアリング(12月22日)に対し、「『新型コロナ禍』により副業を行う人材が増加しており、年々、クオリティーの高いフリーランサーの登録が堅調に増えている」とし、「インドネシアにおいても他国と同様に働き方の多様化が進んでいる」と指摘する。さらに、「『新型コロナ禍』で多くの企業が販促手法をデジタルマーケティングへ切り替えを試みる中、特に中小企業は人材・ノウハウ不足もあり、自社での対応が困難だ」とした上で、「当社の強みは、顧客が求める売り上げ成果へのコミットメントを確かなものにするために、プラットフォームビジネスに加え、エンドツーエンドのデジタルマーケティングの提案など幅広いサービスを保有することだ」と話す。

マイナビによる買収に対し、ライアン氏は「今後は、当地日系企業の顧客開拓も積極的に行っていきたい」とコメントした。一方のマイナビは、インドネシアの就業インフラの構築に取り組むとともに、スリブが持つマッチングプラットフォームやデジタルマーケティングの運営ノウハウなどを活用し、ASEANでの事業拡大を図る方針だ(同社プレスリリース)。

(注)企業がインターネット上で不特定多数に業務を発注する業務形態を指す。

(上野渉)

(インドネシア)

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