ベルギー、税関手続きやエネルギー分野などに関する英国との共同宣言発表

(ベルギー、英国)

ブリュッセル発

2021年12月06日

ベルギー連邦政府のアレクサンドル・ド・クロー首相は11月30日、英国のボリス・ジョンソン首相との連名で、ベルギーと英国の2国間協力に関する共同宣言を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。共同宣言によると、英国とベルキーは、共通の価値観を有する重要な同盟国かつ隣国であるとして、自由と民主主義、自由貿易、人権、法の支配と国際秩序の維持を念頭に、以下の5分野の取り組みを通じて2国間の協力関係を深化させる。分野ごとの主な取り組みは以下のとおり。

(1)共通の繁栄:

  • 英国とEUの通商・協力協定(TCA)に基づき、貿易関係を強化するためにともに努力する。
  • 物の移動に係る税関手続きの効率化に向けてともに取り組む。
  • 海上輸送・鉄道輸送を強化することで、脱炭素目標に貢献するとともに、円滑な交通・物流網を確保する。

(2)グリーンへの移行(Green Transition):

  • 将来的な2国間の電力相互接続に向けた覚書の締結(2022年1月を想定)。
  • 低コストかつ安定したエネルギー供給のための、両国間の風力発電施設の相互接続。

(3)健康・バイオ医薬品:

  • 世界規模での新型コロナウイルスワクチン供給改善に向けた取り組みの継続。ワクチンの主要な供給拠点として、COVAXファシリティー(注)など国際的な枠組みとの連携、ワクチンの輸出促進、医薬品輸出に係る障壁への対応などにともに貢献する。
  • EUの研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」の活用も含めた、研究・科学・技術・イノベーション分野の大学・研究機関の連携など、パートナーシップの強化。

(4)安全保障:

  • サイバーセキュリティーや、軍事と非軍事的手法を複合的に組み合わせた脅威への対策など、NATOが新たな戦略的環境に適応するため、EUと緊密に協力し共同で支援する。

(5)2国間協力体制の構築:

  • 今回の共同宣言の実行とさらなる2国間協力に向けた戦略的作業グループを設置する。

(注)新型コロナウイルスワクチンの公平な分配を目指す国際的な共同購入の枠組み。

(大中登紀子)

(ベルギー、英国)

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