スウェーデン初の女性首相誕生、新政権が発足

(スウェーデン)

ロンドン発

2021年12月03日

スウェーデン議会は11月29日、社会民主労働党党首のマグダレーナ・アンデション氏を新首相に任命することを承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同氏は30日、スウェーデン初の女性首相に就任した。

スウェーデンではこれまで、ステファン・ロベーン前首相が2021年6月の内閣総辞職後、7月に再任し、新政権を発足(2021年7月15日記事参照)。その後、ロベーン前首相の退任に伴い、首相指名投票が11月24日に議会で行われた。同投票の結果、アンデション氏が首相に選出されたが、直後に緑の党が政権を離脱したことで政権基盤が変わり、7時間後に辞任していた。

11月29日に行われた再投票では、賛成票101票、反対票173票、棄権75票となり、議会において再び承認された(注)。アンデション首相は11月30日、22人の閣僚を議会に通知し(添付資料表参照)、社会民主労働党のみから構成される政権を発足させた。リナ・アクセルソン・キルボン学校教育相は、スウェーデン初のトランスジェンダーの閣僚と報道され、注目されている。

アンデション首相は11月30日に発表した政策に関する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、以下の3つの深刻な社会問題に対処するために、積極的な行動をとるとした。

  • 現在、社会全体を脅かしている冷酷な犯罪と闘うために、あらゆる手段を講じる。
  • 国全体で投資を行い、グリーン産業革命を推進する。これにより、二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、未来の雇用をスウェーデンで創出する。
  • 福祉制度の管理を取り戻し、働く全ての人が、適正かつ公正な条件を得られるようにする。さらに国内の学校、医療、社会福祉の質の高さを確保する。

(注)承認には、反対票を投じた議員が半数以下であることが必要。

(篠崎美佐、島村英莉)

(スウェーデン)

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