英政府、ワイン輸入規制緩和の法改正へ

(英国)

ロンドン発

2021年12月03日

英国政府は11月25日、ワイン輸入に関する規制緩和を含むワイン法を変更する意向を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の発表については、既に一定の方針が示されていたものの、今般、市民からの意見募集(パブリックコメント)期間が終了し、正式に法改正を進める意向を示したものだ。今回の変更は、大きく3つの事項から構成されているが、日本からの輸出にも影響のある1つ目を中心に紹介する。

1つ目は、ワイン輸入に関連する規制緩和、すなわち証明書(VI-1 certificates)の撤廃だ。英国では、EU加盟当時から引き続き、全ての輸入ワインに対して、輸出国の認証機関による成分などの同証明書の添付を必須としてきた。ただし、EUからの輸入に関しては、英国のEU離脱(ブレグジット)移行期間終了後から2021年12月まで、暫定的に同証明書を不要としてきたところだ。英国政府は2021年7月に、全ての国からのワインの輸入に対して恒久的な撤廃の意向外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを示していたが、今般の意見募集を踏まえ、正式に法改正を進めることを表明した。

英国政府は、同証明書の発行手続きは、輸入者にとってもコストがかかる一方、品質や安全性に関する十分意味のある証明にはなっていないとし、今回の撤廃により、英国のワイン産業ではワイン1瓶当たり10ペンス、ワイン産業・消費者全体では年間1億3,000万ポンド(約196億3,000万円、1ポンド=約151円)のコストが削減されるとしている。

意見募集の中では、アルコール摂取に関連する健康問題の改善を目指す非営利団体の英国アルコール健康連盟が、コストが下がり、アルコール摂取が容易となることで、アルコールに起因する病気の増加を懸念している。一方、業界団体のワイン・スピリッツ販売協会は、7月の意向発表の時点で、既に歓迎の意思外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを示していた。

なお、意見募集の中でも議論されているとおり、本内容は、グレートブリテン島のみに適用され、北アイルランドや、EUには適用されない。したがって、グレートブリテン島に輸入して、EUへ再輸出あるいは北アイルランドへ移出する場合、引き続き、同証明書の添付が必須となる。

今回、そのほかには、2つ目として、EU・英国間の貿易協力協定(TCA)に適応するためのロット表示に関する法改正、3つ目として、英国の表示規則に対応するためのEU事業者に対する移行期間の設定も、同様に意見応募期間を終え、法改正に進むことが発表された。

英国政府は、これらの変更について、議会承認の状況によるものの、2022年1月1日の施行を目指すとしている。

(根本悠)

(英国)

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